瀬戸町 (愛媛県)

瀬戸町の概要

瀬戸町は、愛媛県の南予地方、佐田岬半島の先端部に位置していた町です。2005年4月1日に、西宇和郡の伊方町、三崎町と合併し、新設された伊方町の一部となりました。佐田岬半島の狭隘な地形に特徴があり、瀬戸内海側と宇和海側の両方に面していました。

地理

瀬戸町は佐田岬半島の先端近くに位置し、三崎町と伊方町に挟まれていました。集落は、瀬戸内海側と宇和海側の両方に分かれており、地域間の交通の確保が課題でした。しかし、稜線部の風況が優れており、風力発電が盛んに行われ、多くの風車が立ち並ぶ景観が形成されていました。

佐田岬半島自体は、最も狭い場所で幅が1kmに満たない細長い地形をしています。その稜線が瀬戸内海と宇和海を分けており、両岸ともに急傾斜地が海に落ち込む地形です。平地は少なく、瀬戸内海側は曲がりくねった海岸線が特徴的で、三机湾のような入り江も形成されています。一方、宇和海側は出入りが少ないものの、ほとんどの場所で断崖が海に接しており、大久や川之浜のような砂浜も存在します。

歴史

沿革

1889年（明治22年）12月25日：町村制施行に伴い、三机村と四ツ浜村が成立。
三机村：足成浦、塩成浦、三机浦、大江浦、志津浦、小島浦が合併。
四ツ浜村：川之浜浦、大久浦、田部浦、神崎浦が合併。
1920年（大正9年）3月：西宇和郡道八幡浜三崎線が認定。
1922年（大正11年）：町内に電気が開通。
1923年（大正12年）：郡制廃止に伴い、八幡浜三崎線が県道に移管。
1925年（大正14年）：町内に初めて電話が架設。
1956年（昭和31年）6月1日：三机村と四ツ浜村が合併し、町制を施行して瀬戸町が誕生。
1958年（昭和33年）：県道八幡浜三崎線が全線開通。
1962年（昭和37年）：県道八幡浜三崎線が国道に格上げされ、国道197号となる。
1975年（昭和50年）1月22日：小型タンカーが志津海岸で座礁し、重油が流出する事故が発生。
2005年（平成17年）4月1日：伊方町、三崎町と合併し、伊方町となる。

三机湾と軍事

三机湾は、太平洋戦争開戦前に海軍の潜水艦訓練基地として使用されました。真珠湾に形状が似ているとされたため、この地が選ばれたとされています。

行政

平成の合併

平成の大合併の時期には、瀬戸町は財政面から単独での存続が困難と判断され、合併が不可避とされました。2002年（平成14年）9月6日に伊方町との合併協議会が発足し、2003年（平成15年）7月1日には三崎町も加わり、3町での合併協議が進められました。合併後の庁舎は、旧伊方町庁舎に決定し、合併後の名称は公募により「伊方町」と決定しました。

町名の由来

瀬戸町の名称は、三机村と四ツ浜村が合併する際に、両村とも新町名にそれぞれの村名を譲らなかったため、両村名以外の名称を用いることになりました。瀬戸内海にちなんで「瀬戸町」が選ばれました。

社会

姉妹都市

岡山県赤磐郡瀬戸町（現：岡山市）- 1987年（昭和62年）7月より

集落

集落は瀬戸内海側と宇和海側に分かれており、役場などの主要な行政施設は瀬戸内海側の三机集落に集中していました。

教育

中学校
瀬戸町立瀬戸中学校
小学校
瀬戸町立三机小学校
瀬戸町立大久小学校
瀬戸町立塩成小学校
瀬戸町立川之浜小学校（2004年に廃校）

郵便局

瀬戸郵便局：1874年（明治7年）に三机郵便局として開局。1958年（昭和33年）に瀬戸郵便局に改称。
大久郵便局：1917年（大正6年）に四ツ浜郵便局として開局。1958年（昭和33年）に大久郵便局に改称。

交通

鉄道

町内には鉄道は通っておらず、最寄りの駅は八幡浜市のJR四国八幡浜駅でした。

路線バス

1951年（昭和26年）に八幡浜と伊方を結ぶバスが三机まで延長され、その後、1953年（昭和28年）には大久まで、1959年（昭和34年）には三崎まで延長されました。現在も伊予鉄南予バスと伊予鉄バスの路線が町内を運行しています。

道路

国道197号：通称「佐田岬メロディーライン」「頂上線」。
愛媛県道254号三机港線
愛媛県道255号鳥居喜木津線

観光

観光地・名所

瀬戸町農業公園
須賀公園：キャンプ場があり、旧九軍神碑があります。三机湾は、ハワイの真珠湾に似た地形から、太平洋戦争開戦前に海軍の特殊潜航艇隊が訓練を行った場所です。公園内には九軍神の慰霊碑があり、毎年追悼式が行われています。
大久海水浴場
川之浜海水浴場

名産品

ウンシュウミカン
チリメン
イリコ

出身有名人

向井鹿松：商業学者、経営学者、経済学者、教育者。
毛利松平：政治家。
佐々木恭三：エスエスケイ創業者。
中村修二：青色発光ダイオードの開発者。
* 河野兵市：冒険家。

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