無産大衆党

無産大衆党の歴史

無産大衆党は、戦前の日本における無産政党として知られています。この党の成立は1928年に遡り、同年に行われた第1回普通選挙を受けて、無産政党内部において合同の必要性が認識されるようになりました。特に、この年の3月15日に発生した三・一五事件は、労働農民党をはじめとするいくつかの団体を政府が解散させる結果となり、無産政党の結束を一層促すこととなりました。

この背景を受けて、旧労農党に所属していた労農派は、山川均の提唱する「共同戦線党」の名のもとに集まり、1928年の7月に無産大衆党を設立しました。鈴木茂三郎が書記長に就任したこの党は、労働者や農民の権利を擁護し、社会の変革を目指して活動を開始しました。しかしながら、無産大衆党の活動はその後5ヶ月という短い期間で幕を閉じることとなります。

1928年12月、無産大衆党は、日本農民党や日本労農党、九州民憲党、中部民衆党など国内の地方無産政党と合併し、日本大衆党が誕生することになりました。この日本大衆党の委員長には高野岩三郎が就任しました。無産大衆党が抱えていた思想や理念は、この新たに結成された党に引き継がれることとなり、彼らの活動は日本の政治シーンにおいて新たな局面を迎えました。

無産大衆党の活動は短命ではありましたが、その設立背景や目的は、当時の日本において労働者と農民の権利を重要視する動きの一環として捉えることができます。また、その後の日本大衆党の形成は、無産政党の統一的な動きが労働者と農民の利益を代弁し、政治的影響力を持つことができる起点ともなりました。

参考文献

• - 村川一郎『日本政党史辞典　上』（国書刊行会）
• - 日本史年表・地図　山川出版社
• - 昭和・平成現代史年表　小学館

関連項目

• - 労働者農民党 (1928)

無産大衆党の活動は、戦前の日本における政党の動向や労働者・農民の権利運動の流れを知る上で重要な側面を持っています。今後もこのような歴史的事実に基づく考察を深めていくことが求められます。

もう一度検索