玄海国定公園

玄海国定公園について

玄海国定公園は、福岡県、佐賀県、長崎県（一部地域）の玄界灘沿岸に位置する国定公園です。1956年6月1日に指定され、総面積は101.58平方キロメートルに及びます。この公園は、美しい自然景観と歴史的な文化遺産が共存する地域として知られています。

特徴的な景観

公園内には、数多くの松原が点在しています。福岡県沿岸には、三里松原、さつき松原、勝浦松原、津屋崎松原、福間松原、古賀ノ松原、生の松原、幣の松原、虹の松原など、それぞれに特徴のある松原が連なり、その美しい景観は訪れる人々を魅了します。特に若松北海岸は、手つかずの自然海岸が残されており、貴重な自然環境を今に伝えています。

また、玄武岩による海食地形もこの公園の大きな特徴です。芦屋町には千畳敷や洞山といった地形が見られ、糸島半島には二見ヶ浦や、国指定の天然記念物である芥屋の大門などがあります。芥屋の大門は、国内最大級の玄武岩の海蝕洞として知られています。

志賀島は、歴史的にも重要な場所です。ここでは国宝の金印が発見されており、志賀海神社が鎮座する聖地としても知られています。また、海の中道によって陸続きとなったことで、近郊のレジャー地としても親しまれています。

佐賀県唐津市北部から伊万里湾にかけての海岸線は、九州有数のリアス式海岸であり、複雑に入り組んだ地形と棚田が織りなす風景が特徴的です。屋形石の七ツ釜は、玄界灘の荒波によって浸食された七つの海蝕洞で、自然の力を感じさせます。東松浦半島最北端の波戸岬には海中展望塔が設置されており、海中の様子を観察することができます。伊万里湾に浮かぶイロハ島は、古くから多くの文人たちに愛されてきた景勝地で、多島海の美しい景観が広がります。

内陸部の見どころ

玄海国定公園には、内陸部にも指定地が点在しています。クスノキ原始林（天然記念物）が残る立花山、怡土城跡のある福岡市西区一帯、観桜の名所であり虹の松原や唐津湾の遠望が美しい鏡山、伊万里市の大平山、竹の古場公園などが含まれています。

火山活動の名残

玄界島北の岩礁には、約110万年前に活動した火山である黒瀬の痕跡が見られます。この火山活動は、玄海国定公園の地形形成にも影響を与えたと考えられています。

公園に関係する市町村

福岡県：北九州市、芦屋町、岡垣町、宗像市、福津市、新宮町、福岡市、糸島市
佐賀県：唐津市、玄海町、伊万里市
長崎県：松浦市

壱岐島以北は壱岐対馬国定公園に指定されています。

まとめ

玄海国定公園は、玄界灘の豊かな自然と歴史が織りなす魅力的な場所です。海岸線の美しい景観、松原、海食地形、歴史的な史跡など、多様な見どころがあり、訪れる人々を魅了し続けています。この公園は、自然と文化を愛する人々にとって、かけがえのない場所となるでしょう。

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