玄海諸島

玄海諸島の概要

玄海諸島（げんかいしょとう）は、佐賀県の北西部に位置し、東松浦半島周辺の玄界灘に点在する島々です。この島々は本土から最も遠い島でもおおよそ8キロ離れており、非常に近い距離にあります。平成の大合併に伴い、現在は全島が佐賀県唐津市に属していますが、合併以前は唐津市、呼子町、鎮西町、肥前町の1市3町に分かれていました。

玄海諸島という名称は行政文書などで使われることはありますが、一般的な場所名称としてはほとんど知られていません。行政上の定義によると、玄海諸島は有人島8島のうち7つのみを含み、呼子大橋が架かる加部島や無人島の鳥島、鷹島、臼島などはその範囲には含まれません。多くの島々は手付かずの自然環境を持ち、全域が玄海国定公園に指定されています。

地理的特性

この地域は対馬暖流の影響を受け、温暖な気候ですが、全体的に土地が狭小で平坦な部分や緩やかな傾斜地が少ないため、可住地や耕作地も限られています。また、水資源が乏しく、冬季には強い季節風によって海が荒れることが多く、厳しい環境となっています。このような状況から、人口は少なくなっています。ただし、周囲の海域は漁業資源が豊富で、アジやサバ、イワシといった回遊魚やウニ、サザエ、アワビなどが捕れる良好な漁場です。江戸時代には捕鯨基地としても栄えていました。現在、島の産業の約40%が漁業に依存しています。

歴史的背景

玄海諸島は九州と朝鮮半島、中国大陸との重要な結節点であり、その歴史は古くから続いています。各地には神宮皇后の三韓征伐に関連する言い伝えや史跡が残っており、日本書紀には加唐島が百済武寧王の生誕地として記されています。また、加部島の瓢塚古墳は日本武尊の子である仲哀天皇の弟、稚武王の墓とされています。この稚武王を祀った田島神社は松浦古事記にも記載があり、県内で最も古い神社とされています。さらに、元寇や松浦党、豊臣秀吉の朝鮮出兵など、多くの歴史的な出来事の舞台にもなっています。

主な有人島

すべてが佐賀県唐津市に属するここの主な有人島には以下の島があります。

• - 高島
• - 神集島
• - 小川島
• - 加部島
• - 加唐島
• - 松島
• - 馬渡島
• - 向島

それぞれの島は自然環境や漁業資源などにおいて独自の特性を持ち、地元の人々にとって大切な存在です。

関連項目

古くからの伝承や神社も多く、地域の文化を形成しています。特に有名な神社には宝当神社や田島神社があり、観光地としても訪れられています。また、遣新羅使が神集島を経由したことも記録されています。

玄海諸島は自然の美しさと歴史的背景を感じさせる、独特の魅力を持った地域です。

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