王午

王午（おう ご）

王午は、五胡十六国時代の後趙に仕えた武将である。

生涯

後趙に仕え、寧西将軍に任じられた。

349年4月、石虎が死去し、石世が後を継ぐと、王午は姚弋仲・蒲洪・劉寧・石閔（後の冉閔）らと共に李城において彭城王石遵と面会した。王午らは石遵に対し、「殿下は年長であり、聡明でいらっしゃいます。先帝も本来は殿下を世継ぎにとお考えでした。しかし、ご老齢であったことから張豺の口車に乗せられたのです。今、女主が朝廷に臨み、姦臣が政治を乱しております。李農が上白城に拠って石世と対立しており、宿衛には兵卒がおりません。殿下がもし張豺の罪を数え上げ、軍鼓を鳴らして進撃すれば、全ての者が馳せ参じて、殿下を迎え入れるでしょう」と進言した。石遵はこれを受け入れて挙兵し、石世を殺害して帝位を簒奪した。後に王午は幽州刺史に任じられた。

350年2月、冉閔の乱に乗じて前燕が中原へ進出して来ると、王午は征東将軍鄧恒と共に薊城を守備した。しかし、3月になると前燕軍が接近したため、配下の王佗に薊城を任せて鄧恒と共に魯口へ退却した。

351年8月、前燕の慕容評が王午討伐のために軍を進めて南皮まで来ると、王午は配下の将軍鄭生を派遣して防がせたが、慕容評に敗れて鄭生は斬り殺された。

352年4月、冉閔が前燕の輔国将軍慕容恪に敗れて戦死すると、子の冉操が魯口へ亡命してきたため、王午はこれを迎え入れた。

7月、冉魏が崩壊すると、鄧恒が既に死去していたこともあり、王午は安国王を自称して自立を宣言した。しかし、8月には慕容恪が封奕・陽騖らと共に魯口攻略に向けて進軍してきたため、王午は籠城すると共に冉操を前燕軍へ送還した。慕容恪らは城外の食糧を略奪して兵糧攻めを仕掛けた。

10月、王午は配下の将軍秦興に殺害された。秦興もまた呂護に殺害され、呂護が安国王を自称して魯口を守った。

王午は、後趙の混乱に乗じて一時的に自立を試みたものの、前燕の侵攻を防ぐことができず、最終的には部下の裏切りによって命を落とした。彼の短い支配は、五胡十六国時代の激しい動乱を象徴する出来事の一つと言える。

参考文献

* 『資治通鑑』「晋紀」巻98 - 巻99

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