王舜

王舜（おう しゅん）

王舜は、前漢末期から新代にかけて活躍した政治家です。王莽の従叔父である王音の子として生まれ、王莽の親族として、その台頭を初期から支えた腹心の一人でした。

前漢での活躍

王舜は、王邑と共に王莽の親族として早くから活動しました。永始2年（紀元前15年）に父の王音の死に伴い安陽侯を継承。その後、駙馬都尉から太僕へと昇進しますが、病により免職されます。元寿2年（紀元前1年）には車騎将軍に任命され、皇太后王政君や王莽の命を受け、中山王を出迎え、平帝として擁立する事に貢献しました。その後、大司馬・車騎将軍に昇格、元始元年（1年）には太保・車騎将軍に遷り、太傅王莽、太師孔光、少傅甄豊と共に四保の一人となります。さらにその後、驃騎将軍に遷りました。

居摂元年（6年）には、太傅・左輔に任命され、孺子嬰を補佐。居摂2年（7年）に翟義が反乱を起こすと、甄豊と共に夜間に宮中を巡回し、王莽を護衛しました。

居摂3年（8年）、王舜は王政君に、伝国璽を王莽に引き渡すよう説得する使者となります。王政君は激怒し、王舜自身も内心では悲嘆を感じていましたが、それでも王政君を説得し、彼女が投げつけた伝国璽を受け取り、王莽に献上しました。

新での失意

始建国元年（9年）、王莽が新を建国すると、哀章が献上した銅匱の符命に従い、王舜は太師に任命され、安新公に封じられました。これにより、太傅平晏、国師劉歆、国将哀章と共に四輔の一人となります。

しかし王舜は、古くから王莽を支えてきたものの、王莽が皇帝の地位にまで上り詰めた事に対し、むしろ恐怖を覚えていました。また、符命を献上するなどして新たに王莽の側近となった人物たちの台頭に、押されるように感じていました。そのため、王莽が皇帝に即位した後、王舜は心臓を患い、天鳳3年（16年）に死去しました。

子の王延が父の爵位である安新公を後継し、その弟の王匡が太師将軍の地位を受け継ぎました。

参考文献

『漢書』巻12 本紀12 平帝紀
同 巻19下 表7下 百官公卿表下
同 巻94下 列伝64下 匈奴伝下
同 巻98 列伝68 元后伝
同 巻99上 列伝69上 王莽伝上
同 巻99中 列伝69中 王莽伝中

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