田子の浦港

田子の浦港：歴史と現状、課題

概要

静岡県富士市東部に位置する田子の浦港は、港湾法上の重要港湾、港則法上の特定港に指定されています。JR東海道本線吉原駅に近い立地で、田子江川、潤井川、小潤井川、和田川、沼川が流れ込む地理的条件にあります。江戸時代の吉原湊を起源とし、駿河湾に面した重要な海上交通拠点として発展してきました。

現在では、製紙工場（日本製[[紙]]、王子製[[紙]]、三島製紙など）をはじめ、倉庫、運輸業、食品加工工場などが集積する工業地帯となっています。南側にはENEOS、出光興産などの石油埠頭、西側には旭化成の工場、東側には貯木場が設置されています。

かつては砂浜海岸であったため、発着の難しさから鹿島港、苫小牧港、富山新港と同様に堀込式港湾として整備されました。現在も浚渫工事が定期的に行われていますが、パナマックス級のバルカー（主に紙の原料となるチップやコーンスターチ原料のトウモロコシを運搬）の入港において、満載状態や潮位によっては船底擦損や接岸困難といった課題を抱えています。


埠頭

田子の浦港には、中央埠頭、吉原埠頭、富士埠頭、鈴川埠頭、石油埠頭の5つの埠頭があります。中央埠頭では、2011年2月に中央2号岸壁が全面供用開始されました。


田子の浦しらす

静岡県田子の浦港沖で水揚げされる「田子の浦しらす」は、富士市沖・沼津市沖で漁獲されるしらすで、地理的表示に登録されています。鮮度とプリプリとした食感が特徴です。


貿易額



主な取扱品目

チップ
パルプ
メイズ（トウモロコシ）
セメント
ガソリン
灯油
軽油
重油
過酸化水素
水酸化マグネシウム
その他


港湾管理・関連機関

港湾管理：静岡県田子の浦港管理事務所（富士市鈴川町）
税関：名古屋税関清水税関支署田子の浦出張所（富士市鈴川町）
検疫所：名古屋検疫所清水検疫所支所（静岡市清水区）
植物防疫所：名古屋植物防疫所清水支所（静岡市清水区）


交通アクセス

一般道：静岡県道170号、172号、341号、353号


公害問題

1960～70年代前半には、製紙工場排水によるヘドロ公害が発生し、港湾機能の阻害や悪臭問題を引き起こしました。


今後の課題

老朽化する港湾施設の更新、浚渫工事による維持管理、環境保全への配慮、物流効率の向上など、田子の浦港の更なる発展のためには多くの課題が山積しています。特に、大型船舶の入出港における制限は、国際競争力を維持していく上で重要な課題と言えるでしょう。これらの課題への対応が、田子の浦港の将来を左右する重要な要素となります。


関連情報

静岡県田子の浦港管理事務所
田子の浦港（国土交通省中部地方整備局清水港湾事務所）
静岡県の田子の浦紹介ページ
第三管区海上保安本部　灯台ONEタップビュー　田子の浦導灯

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