矛部

矛部（ぼうぶ）

矛部は、漢字が部首に基づいて分類されるグループの一つであり、「矛」を筆画の一部として含む漢字が集められています。この部首は、康熙字典の214部首の中で110番目の位置にあり、特に5画の漢字の中では16番目にあたる重要な部首です。

矛の意味と役割

単独の「矛」という字は、古代の武器を指し、その形は非常に特徴的です。矛は、通常、戦いや狩りに使われる武器であり、そのため矛部は武器に関連する漢字が集まる場となっています。特に、矛が意符として含まれる文字は、武器に関連する意味を持つことが多いのです。

部首の通称

矛部には、日本語では「ほこ」や「ほこへん」、さらには「むのほこ」といった呼び名があります。韓国語では「창모부（chang mo bu）」と呼ばれ、これも「槍の矛部」という意味を持っています。英語圏では「Radical spear」と訳され、部首全体の意味を表現しています。これらの呼び名は、漢字の使用地域によって異なりますが、いずれも「矛」を意味することに変わりはありません。

漢字の音韻

矛部の部首字「矛」の音に関しては、多様な発音が存在します。

• - 中古音:

- 広韻では「莫浮切」とされ、尤韻と平声に当たります。
- 詩韻でも同様に尤韻と平声となっています。
- 三十六字母では「明母」と分類されています。

• - 現代音:

- 普通話では、ピンインが「máo」、注音符号は「ㄇㄠˊ」、ウェード式では「mao2」となります。
- 広東語では、Jyutpingで「maau4」、イェール式での表記も同じく「maau4」です。
- 日本語では「ボウ」または「ム」という音読みがあり、訓読みは「ほこ」となっています。
- 朝鮮語では、「모（mo）」という音が使用され、訓読みは「창（chang、槍）」です。

例字

矛部に該当する具体的な例としては、「矛」を含む漢字が挙げられます。例えば、「矜」などが該当し、これらの文字はすべて矛部として分類されています。矛部の漢字は、武器や防衛に関連する意味が多く、歴史的な背景や文脈によってもその解釈が異なる場合があります。

以上のように矛部は、漢字の中で特定の意味と形を持つ文字の集合体として位置づけられ、その役割は中国の漢字文化において重要な位置を占めています。

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