石 (単位)

石（こく）

概要

『石』は、尺貫法に基づく日本の体積単位であり、古代中国では質量の単位として使用されていました。現在の日本では、主に米の計量に用いられています。米1石は10斗、100升、1,000合に相当し、成人1人の年消費量にほぼ等しいとされています。このことから、1石は約333日分の食料とみなされてきました。面積を示す際、元々は米1石の収穫量に基づいて定義された「反」という単位も存在します。また、石は10立方尺に相当し、1立方尺は「才」と呼ばれる下位単位です。

尺貫法は1951年に施行された計量法によって廃止されましたが、材木取引など一部の分野では依然として使用されています。木材の体積を表す際は、1石が「1尺×1尺×10尺」（約278リットル）として扱われています。

日本の歴史

日本では文字として「石」を使いますが、発音は「コク」となります。1000石以上の単位は「ゴク」と濁音になり、近世初期（寛文9年、1669年）において新京枡に統一され、現在と同じ容量が定義されました。新京枡における1升は縦横0.49尺、深さ0.27尺で、これに基づいて、1石は6.4827立方尺となります。江戸時代からは、その容積の観点から船の積載量や木材の量を示す際にも用いられています。

明治時代に入ると、米1俵が4斗と定められ、2.5俵が1石に相当することが決まりました。さらに、1886年にメートル法が導入され、1升は約1.8039リットルとされ、結果的に1石は約180.39リットルと換算されるようになりました。

中国の歴史

中国では、「石」という単位はもともとは質量を測るもので、「セキ」と読まれていました。古代の文献には、石がどのように質量を表すかが記されていますが、体積の単位としても使われており、「斗」の10倍として定義されるようになりました。宋代以降、石は体積において10斗とされ、質量においては斤の120倍に相当すると考えられました。近代に入り、「担」という新たな単位が生まれ、これが石と混同されることもありましたが、現在中国では体積に対して「石」、質量に対して「担」を用いています。

朝鮮の用法

朝鮮では、漢字で「石」と表記されることから、発音も「석（ソク）」となりますが、実際には固有語「섬（ソム）」が一般的に使われています。朝鮮でも石の容量は180リットルとされるものの、穀物の種類によってその重量が異なるため、籾では200kg、米では144kgとなることがあります。

石高制

日本の中世末期から近世にかけて、土地の生産力を石で表した「石高」という指標が、地域の経済力や戦時の動員力を評価する際に用いられていました。

用途

江戸時代からの伝統的な慣習として、醸造業界では製造量を石高で表すことが多く、これを「造石高」と呼ぶことがあります。これにより、米の消費、商取引、農業の管理においても、石は重要な役割を果たしています。

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