竺瑤

竺瑤（じく よう）

竺瑤（生没年不詳）は、東晋時代の軍人であり、その軍事的な手腕で東晋の勢力拡大に貢献しました。

生涯

竺瑤は東晋に仕え、寧朔将軍という役職に任命されました。彼の軍歴は、東晋が直面した数々の困難な戦局において、重要な役割を果たしました。

前燕との戦い

興寧3年（365年）3月、竺瑤は洛陽の守備を任されていましたが、前燕の太宰である慕容恪が率いる強大な軍勢によって洛陽は陥落しました。この敗戦後、竺瑤は襄陽へと退却しました。

袁瑾討伐戦

太和5年（370年）4月、大司馬の桓温は前燕の建威将軍である袁瑾を討伐することを決定し、竺瑤を督護として派遣しました。竺瑤は矯陽之らと共に水軍を率いて進軍し、武丘において袁瑾と前燕の援軍と激戦を繰り広げ、見事勝利を収めました。

司馬奕の廃位

太和6年（371年）11月、桓温は皇帝である司馬奕を廃位することを決断し、その使者として竺瑤と散騎侍郎の劉亨を派遣しました。竺瑤らは司馬奕から璽綬を収容するという重要な任務を遂行しました。

前秦との戦い

寧康元年（373年）11月、前秦軍が梁州と益州に侵攻した際、荊州刺史の桓豁は江夏相に任じられていた竺瑤を援軍として派遣しました。しかし、広漢郡太守の趙長らが戦死したという知らせを受け、竺瑤は軍を退却させました。

寧康2年（374年）5月、益州刺史に任命された竺瑤は、威遠将軍の桓石虔と共に3万の兵を率いて墊江に拠点を築きました。墊江を守備していた前秦の寧州刺史である姚萇を破り、姚萇は五城へと撤退しました。その後、竺瑤と桓石虔は巴東へ移動し、そこに駐屯しました。

これ以後の竺瑤に関する事績は、歴史書には記録されていません。

参考文献

『晋書』巻8、巻74、巻98、巻113
『資治通鑑』巻102、巻103
* 『十六国春秋』巻37

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