第6飛行師団 (日本軍)

第6飛行師団：南太平洋の空を駆け抜けた航空部隊

第6飛行師団は、太平洋戦争中の1942年11月、日本陸軍によって編成された航空師団です。アメリカ軍の航空戦力が増強される南太平洋方面において、その対抗戦力として期待されました。主に東部ニューギニア方面での航空戦や、船団護衛任務を担いましたが、戦局の推移とともに、その戦力は次第に低下していきました。

師団の沿革

1942年11月、第6飛行師団は第8方面軍隷下に編入され、満州などに展開していた部隊から兵力が抽出されました。司令部はラバウルに置かれ、ニューギニア方面での航空作戦を指揮しました。しかし、連合軍の反撃が激化するにつれて、戦況は悪化の一途を辿ります。1943年4月には、司令部をウェワク飛行場へ移動させますが、同年7月には、支援のために第7飛行師団主力もニューギニアに展開、司令部をブーツに置きました。この結果、ニューギニア方面には二個の飛行師団が配置されることとなり、第4航空軍が新設され、その隷下に入りました。

1943年8月には、米第5空軍による大規模な空襲を受け、ウェワクおよびブーツの各飛行場は壊滅的な被害を受けました。第6、第7飛行師団も大きな打撃を受け、戦力は著しく低下しました。同年10月、第7飛行師団はインドネシアのアンボンに後退しましたが、第6飛行師団はその後もニューギニアに残って戦い続けました。

1944年3月、第6飛行師団はウェワクからホーランディアへと移動しました。しかし、4月22日、米軍がホーランディアに上陸を開始したため、基地部隊は多くの犠牲を払いながら山中を退却し、サルミへと撤退しました。この戦いにより、第6飛行師団は実質的に戦闘力を失い、同年8月に解散となりました。

師団の概要

• - 司令部通称号: 洋9301
• - 使用機種: 九九式双発軽爆撃機、一式戦闘機、三式戦闘機、一〇〇式司令部偵察機、九九式軍偵察機など

歴代師団長

• - 板花義一 中将：1942年11月26日 - 1944年4月1日
• - （心得）稲田正純 少将：1944年4月1日 - 1944年5月31日

歴代参謀長

• - 早淵恒治 大佐：1942年12月1日 - 1943年5月18日
• - 山口槌夫 少将：1943年5月18日 - 1944年4月1日
• - 徳永賢治 大佐：1944年4月1日 - 1944年8月11日

最終司令部構成

• - 参謀長：徳永賢治大佐
• - 参謀：岡本貞雄中佐
• - 参謀：首藤忠男少佐
• - 参謀：杉村良夫少佐
• - 参謀：上田出少佐
• - 高級副官：宮崎敏美中佐
• - 経理部長：伊藤光信主計大佐

最終所属部隊

戦闘部隊

• - 独立飛行第83中隊（軍偵）：宮永築大尉
• - 飛行第10戦隊（司偵）：下村兵一中佐
• - 飛行第33戦隊（戦闘）：福地勇雄少佐
• - 飛行第34戦隊（軽爆）：福地勇雄少佐
• - 飛行第63戦隊（戦闘）：原孫治少佐
• - 飛行第208戦隊（軽爆）：加島誠輝中佐
• - 飛行第248戦隊（一式戦）：黒田武文少佐
• - 白城子陸軍飛行学校教導飛行団：森玉徳光大佐

飛行場部隊

• - 白城子教導航空地区司令部：浅田宰中佐
• - 第25飛行場大隊（重爆）
• - 第47飛行場大隊（軽爆）
• - 第48飛行場大隊（偵察）
• - 第51飛行場大隊（戦闘）
• - 第209飛行場大隊（軽爆）
• - 第5野戦飛行場設定隊
• - 第6野戦飛行場設定隊
• - 第10野戦飛行場設定隊
• - 第11野戦飛行場設定隊
• - 第12航空地区司令部：小原重蔵中佐
• - 第21飛行場大隊（戦闘）
• - 第22飛行場大隊（戦闘）

参考文献

• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
• - 外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』、芙蓉書房出版、1987年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
• - 『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。
• - 木俣滋郎『陸軍航空隊全史』航空戦史シリーズ90、朝日ソノラマ、1987年。
• - 防衛研修所戦史室『陸軍航空の軍備と運用（3）大東亜戦争終戦まで』　朝雲新聞社〈戦史叢書〉、1976年。

関連項目

• - 大日本帝国陸軍師団一覧
• - ニューギニアの戦い
• - ホーランジアの戦い

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