箱根ターンパイク

箱根ターンパイクは、神奈川県小田原市から箱根町を経由し、湯河原町に至る全長15.752kmの観光有料道路です。中日本高速道路（NEXCO中日本）グループの箱根ターンパイク株式会社が運営しています。有料道路を意味する「ターンパイク」の名の通り、通行には料金が必要です。2018年からは「アネスト岩田ターンパイク箱根」という名称が使用されていますが、一般的には「ターンパイク」と呼ばれることが多いです。

概要

箱根ターンパイクは、相模湾に面した小田原市早川から、箱根山芦ノ湖の南東にある大観山・湯河原峠まで、標高差約1000mの山岳道路です。箱根小田原本線（13.782km）、箱根伊豆連絡線（1.7km）、西湘接続線（270m）の3路線で構成されています。道路運送法上の自動車道であるため、道路交通法が適用されます。自動車とオートバイは通行できますが、125cc以下の二輪車、軽車両、ミニカー、歩行者は通行できません。

カーブの最小半径は100mと緩やかで、勾配も比較的緩やかですが、下り坂にはエンジンブレーキの使用を促す注意書きと緊急避難所が設置されています。沿線には多くの展望台があり、相模湾、初島、伊豆大島などの景色を楽しめます。特に、箱根小田原本線の終点付近にある大観山スカイラウンジからは、芦ノ湖や富士山の壮大な景色を一望できます。春には、早川側から約4km地点で桜のトンネルが見られます。

2002年の時点では、1日平均通行台数は3,196台、営業収支比率は98.8%と、わずかに赤字の事業でした。私道であるため、全線を貸し切ることも可能で、CM撮影や新車試乗会などに利用されています。過去には、ポルシェ962C、ポルシェ919 tribute、ホンダRC213Vなどのレース車両が走行したこともあります。2017年からは、全線を貸し切った「激坂最速王決定戦」も開催され、大学生ランナーも参加しています。

通行料金

2024年 7月1日現在の通行料金は以下の通りです。

普通車・軽自動車
箱根小田原本線区間：900円
箱根伊豆連絡線区間：200円
全線：1100円

自動二輪
箱根小田原本線区間：650円
箱根伊豆連絡線区間：170円

両区間は独立しており、料金は別々に支払う必要があります。料金所付近でのUターンはできません。2022年 3月28日からは、箱根小田原本線の小田原料金所のみでETC多目的利用サービス「ETCX」が導入されましたが、利用時も一旦停止が必要です。

営業時間

営業時間は全線一律で5:30～22:30（最終入場時間 22:00）です。営業時間外の夜間は全線が完全に封鎖され、通行できません。

運営主体

箱根ターンパイクは、もともと東急グループの開発計画に伴い建設されました。長らく東急グループの東急ターンパイクが保有・運営していましたが、赤字が続いたため、2004年3月にマッコーリー銀行グループが主体となるインフラストラクチャー・ファンドが設立した箱根ターンパイク株式会社に営業譲渡されました。その後、2014年4月25日にNEXCO中日本の子会社であるNEXCO中日本インベストメントにより買収され、現在に至ります。

沿革

1954年3月5日：東京急行電鉄が「東急ターンパイク」の免許を申請。
1955年2月16日：吉浜開発株式会社設立。
1955年8月23日：東京急行電鉄が「箱根ターンパイク」の免許を申請。
1957年8月26日：東京急行電鉄が「湘南ターンパイク」の免許を申請。
1957年11月5日：吉浜開発株式会社が東急グループ傘下に入る。
1960年5月12日：「箱根ターンパイク」の事業免許を取得。「東急ターンパイク」と「湘南ターンパイク」は競合のため認可されず。
1961年5月10日：工事施行認可申請。
1961年10月19日：工事施行認可。
1962年10月19日：起工式挙行。
1963年5月10日：吉浜開発株式会社が箱根ターンパイク株式会社に商号変更。
1965年7月23日：大観山線が開通。
1966年12月1日：箱根ターンパイク株式会社が東急ターンパイク株式会社に商号変更。
1967年10月1日：十国線が開通。
1972年3月31日：東急ターンパイク株式会社の経営悪化に伴い、東京急行電鉄が自動車道と土地を買収。
1972年4月1日：東京急行電鉄が東急ターンパイク株式会社に営業を委託。
2004年3月1日：東京急行電鉄が箱根ターンパイク株式会社に経営譲渡。
2005年7月30日：ターンパイク・ビューラウンジが新装オープン。
2007年3月1日：東洋ゴム工業がネーミングライツを取得し、「TOYO TIRES ターンパイク」となる。
2014年4月25日：NEXCO中日本が箱根ターンパイク株式会社の全株を取得。
2014年8月1日：マツダがネーミングライツを取得し、「MAZDA ターンパイク箱根」となる。
2017年8月1日：マツダとの契約満了により、名称が「箱根ターンパイク」に戻る。
2018年3月1日：アネスト岩田がネーミングライツを取得し、「アネスト岩田ターンパイク箱根」となる。
2022年 3月28日：ETCXを導入。

出入口など

箱根小田原本線 (D18a)

休憩施設等

御所の入駐車場
見晴台駐車場
鍋割駐車場
白銀駐車場
大観山スカイラウンジ
1階：フードコート
2階：展望ラウンジ、富士見トイレ、KUSHITANI CAFE 箱根

箱根伊豆連絡線 (D18b)

脚注

注釈

出典

参考文献

小川秀夫、栗栖国安、田宮徹著「MAZDAターンパイク箱根」、中村純一編編『ニッポン絶景ロード100』枻出版社〈エイムック〉、2016年4月10日、75頁。ISBN 978-4-7779-3980-0。
中村純一編編「MAZDAターンパイク箱根」『日本の絶景道100選』枻出版社〈エイムック〉、2017年4月10日、75頁。ISBN 978-4-7779-4572-6。
浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』（初版）日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3。

レースのコースとして登場する作品

SS
頭文字D Fifth Stage
頭文字D ARCADE STAGE
MFゴースト
湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE
弱虫ペダル
サーキットの狼
爆走兄弟レッツ&ゴー!!

外部リンク

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