大雪山国立公園

大雪山国立公園



大雪山国立公園は、北海道の中央部に位置する広大な山岳公園であり、北海道で最も歴史のある国立公園の一つです。1934年に指定され、その広大な面積と多様な自然環境は、多くの人々を魅了しています。

概要



大雪山国立公園は、大雪火山群、十勝岳連峰、石狩岳連峰といった2,000メートル級の山々が連なる山岳公園です。高緯度に位置するため、本州の3,000メートル級の山々に匹敵する自然環境を有し、雪渓や永久凍土が見られるなど、特異な生態系を形成しています。大雪山は、その貴重な自然環境から、1971年に国の天然記念物、1977年には特別天然記念物に指定されています。

公園内には、ウスバキチョウやダイセツタカネヒカゲなどの高山蝶、クマゲラやイヌワシ、シマフクロウなどの希少な鳥類が生息しており、これらの種は天然記念物に指定されています。また、羽衣の滝は北海道の名勝に、然別湖のミヤベイワナは北海道の天然記念物に指定されています。

歴史




自然



大雪山国立公園は、高山植物の宝庫であり、250種類以上が記録されています。特に、高山帯に広がるお花畑は、夏には色とりどりの花々で彩られます。また、290種以上の植物と60種以上のRDB種（絶滅危惧種）が確認されています。鳥類も140種類以上が生息し、ギンザンマシコやミユビゲラ、クマゲラ、シマフクロウなどの希少な種や、個体数が減少しているエゾライチョウも含まれます。冬には、アオシギやキレンジャク、ツグミ、ワタリガラスなどが飛来します。

高山蝶は、北海道に生息する5種すべてが大雪山で見られ、3,000種を超える昆虫が生息しています。哺乳類では、ヒグマ、キタキツネ、タヌキ、エゾイタチ、エゾクロテン、エゾオコジョ、エゾユキウサギ、エゾナキウサギ、エゾシマリス、エゾモモンガ、エゾリス、エゾシカ、ネズミ類、トガリネズミ類などが生息しています。

大雪山国立公園を構成する山岳



大雪山国立公園は、北大雪、表大雪、東大雪、十勝連峰の4つの山域に分かれ、それぞれ2,000メートル級の山々が連なっています。北海道最高峰の旭岳（2,291メートル）を筆頭に、なだらかな山並みが広がっていますが、緯度と気象条件により森林限界が1,500メートルと低く、高山帯が広く発達しているのが特徴です。登山シーズンは6月下旬から10月初旬と短い期間に限られます。7月上旬でも残雪が多く、9月中旬頃には初冠雪を迎えます。

花の百名山には、大雪山、沼の平、十勝岳、富良野岳が選定され、新・花の百名山には、黒岳、小泉岳、白雲山が選定されています。

観光地・景勝地



公園内には、大雪山ロープウェイや層雲峡、旭岳温泉などの観光地や景勝地が点在しています。これらの場所では、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。特に紅葉シーズンは、山々が赤や黄色に染まり、多くの観光客で賑わいます。

集団施設地区・ビジターセンター



公園内には、層雲峡ビジターセンター、ひがし大雪自然館、旭岳ビジターセンターなどの施設があり、公園の自然や歴史に関する展示や情報提供が行われています。これらの施設は、公園を訪れる人々の学習や情報収集に役立っています。

参考資料




関連項目




外部リンク



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