紀元前238年

紀元前238年は、ローマ暦における年であり、当時のローマではティベリウス・センプロニウス・グラックスとプブリウス・ウァレリウス・ファルトが執政官を務めていました。また、ローマ建国紀元では516年とも数えられます。この年は、後世において西暦が普及するにつれて、紀元前238年と表記されるようになりました。

各地の紀年法

この年は、様々な地域で異なる紀年法が用いられていました。

干支: 癸亥
日本: 皇紀423年、孝霊天皇53年
中国:
秦: 始皇9年
楚: 考烈王25年
斉: 斉王建27年
燕: 燕王喜17年
趙: 悼襄王7年
魏: 景湣王5年
韓: 韓王安元年
仏滅紀元: 309年

主な出来事

カルタゴ

カルタゴでは、傭兵反乱が大きな転換点を迎えました。

ハミルカル・バルカは、傭兵軍の補給線を断ち、カルタゴの包囲を解くことに成功しました。その後も、彼は傭兵軍と何度も戦い、最終的にはのこぎり山の戦いで傭兵軍を壊滅させました。この戦いで、ハミルカルは峡谷に傭兵軍を追い込み、包囲した上で4万もの傭兵を処刑するという残虐な行為も行いました。
リビアでは、反乱を起こしたいくつかの都市が次々とカルタゴ軍に征服され、最終的にウティカとヒパクリテアを除くすべての都市が降伏しました。
ハミルカルとハンニバル（ハンニバル・バルカとは別人）の軍は、チュニスでマトスの傭兵軍を包囲し、傭兵軍の指導者たちを磔刑に処しました。マトスはハンニバル軍の隙を突いて反撃し、ハンニバルを捕虜にするも、最終的にはカルタゴの増援部隊によってマトス軍は打ち破られ、マトス自身も捕らえられました。
カルタゴ軍は、ウティカとヒパクリテアを包囲し、占領することで、長きにわたった傭兵反乱を終結させました。
共和政ローマは、サルデーニャの支配権を巡ってカルタゴに宣戦布告しましたが、カルタゴはこれに逆らうことなく、サルデーニャに対する全ての権利を放棄しました。

エジプト

プトレマイオス3世とその后ベレニケ2世を称えるカノプス勅令の碑文が作成されました。

ペルシア

イランの遊牧民族であるパルニ氏族の長アルサケス1世がパルティアに侵攻し、サトラップのアンドラゴラスを殺害しました。

中国

中国では、秦を中心に様々な出来事が起こりました。

秦が魏を攻撃し、垣と蒲陽を奪いました。
秦王政が雍に入り、加冠と帯剣の礼を行いました。
秦の嫪毐が王の御璽を偽って兵を起こし、蘄年宮を攻撃しようとしましたが、呂不韋と昌平君、昌文君がこれを鎮圧し、嫪毐は捕らえられて処刑されました。また、嫪毐の一族も滅ぼされました。
秦の太后が雍の萯陽宮に移され、彼女の2人の子供が殺害されました。
秦では、4月に寒波が襲来し、多くの凍死者が出ました。
秦の楊端和が魏を攻撃し、衍氏を奪いました。
楚の考烈王が死去し、春申君が李園の部下に殺害されました。その後、幽王が即位しました。

誕生

この年に生まれた人物に関する記録は残っていません。

死去

アンドラゴラス: パルティアのサトラップ
荀子: 中国の思想家
ハンニバル: カルタゴの将軍（ハミルカルの同名の息子とは別人）
嫪毐: 秦の宦官
考烈王: 楚の王
春申君: 楚の政治家、戦国四君の一人

脚注

注釈や出典については、史料によって内容が異なる場合があります。

関連項目

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