臨潭県

臨潭県（りんたん-けん）は、中華人民共和国甘粛省甘南チベット族自治州に位置する県です。その歴史は古く、新石器時代から人類が居住し、唐代には唐と吐蕃を結ぶ唐蕃古道の要衝として栄えました。

歴史

臨潭県の歴史は非常に古く、新石器時代にはすでに人類が居住し繁栄していました。唐代には洮州と呼ばれ、唐から吐蕃を結ぶ唐蕃古道の重要な地点でした。前漢時代には、災害の犠牲者を臨洮に移住させ、中原の高度な生産技術、文化、芸術がもたらされました。また、朱泚の乱と呼ばれる蜂起を鎮圧し、市街を再建した李晟・李愬父子もこの地の出身です。

北周時代に設置された汎潭県が臨潭県の前身であり、591年（開皇11年）に隋によって臨潭県と改称されました。伝説によれば、土地が水潭の近くにあったことがその名の由来とされています。

西晋時代には、吐谷渾部族が洮陽城を占領し、寺院を建設して仏教を信仰していました（牛頭城遺跡）。明代の洪武12年（1379年）には、明の将軍沐英が軍を率いて西征し、洮州衛城（洮州衛）と呼ばれる新しい街区を建設しました。

洮州では、宋代に始まり明代に繁栄した「茶馬互市」と呼ばれる交易市が有名でした。清代には洮州庁となりました。

清末の回民蜂起（ドンガン人の蜂起）では、明代からの建築物などが破壊されました。中華民国時代になり、再び臨潭県となりました。1953年には県庁が旧市街（現在の城関鎮）に置かれましたが、新市街（現在の新城鎮）も残りました。文化大革命の際には、鐘楼も破壊されています。

行政区画

臨潭県は、以下の行政区画を管轄しています。

11鎮：城関鎮、新城鎮、冶力関鎮、羊永鎮、王旗鎮、古戦鎮、洮浜鎮、八角鎮、流順鎮、店子鎮、羊沙鎮
3郷：朮布郷、三岔郷、石門郷
2民族郷：卓洛回族郷、長川回族郷

観光

臨潭県には、以下のような観光名所があります。

冶海氷図
石門金鎖
洮水（洮河）
迭山
黒嶺喬松
朶山玉筍
玉兔臨凡
* 蓮峰聳秀

人口動態

2014年時点での臨潭県の総人口は約16万人です。漢族、回族、チベット族、モンゴル族、ドンシャン族、トゥ族、満州族、ミャオ族、リー族、サラール族など、15の民族が居住しており、少数民族の人口は約4.1万人で、総人口の28%を占めています。

臨潭県は、多様な民族が共存し、豊かな歴史と文化を持つ地域です。その自然景観も美しく、観光地としても魅力的な場所です。

もう一度検索