興聖寺 (高島市)

興聖寺（こうしょうじ）

興聖寺は、滋賀県高島市朽木岩瀬にある曹洞宗の寺院です。山号は高巌山と称します。この寺は、鎌倉時代に道元禅師が越前へ向かう途中、この地の地形が宇治の興聖寺に似ていることに驚き、同じ寺名を名付けたことが始まりとされています。関西花の寺二十五霊場の第14番札所としても知られています。

歴史

嘉禎3年（1237年）： 朽木村の領主であった佐々木信綱が、承久の乱で戦死した一族の供養を願い、道元禅師をこの地に招きました。
寛元元年（1243年）： 道元禅師が招きに応じ、越前へ下る際に朽木村に立ち寄り、寺の建立が始まりました。この時、道元禅師は当地の風景が宇治の興聖寺に似ていると感じ、同じ寺名を名付けたと言われています。
享禄元年（1528年）： 室町幕府12代将軍の足利義晴が、細川晴元・三好元長の追撃を避けるため、3年間この寺に滞在しました。この間、寺は将軍の避難所としての役割を果たしました。
享保14年（1729年）： 寺は上柏村指月谷から現在の岩神村秀隣寺の地に移されました。この移転は、寺の発展と地域の変化に伴うものであったと考えられています。
文政11年（1828年）： 本堂が焼失するという大きな被害を受けました。これにより、寺は一時的に大きな困難に見舞われました。
安政4年（1857年）3月： 朽木大綱の寄進により、25世仙英和尚の代に本堂が再建されました。この再建は、地域の人々の信仰心と寺に対する深い思いを示すものです。

文化財

重要文化財

木造釈迦如来坐像： 平安時代に作られた檜の寄木造りの仏像です。この像は、興聖寺の歴史と文化を語る上で非常に重要な文化財であり、その精巧な造りは見る者を魅了します。

名勝（国指定）

旧秀隣寺庭園： この庭園は、室町時代に足利義晴が滞在していた際に、管領・細川高国が義晴を慰めるために贈ったとされています。面積は234坪あり、武家書院の蓬莱池泉式庭園として知られています。池には鶴亀の島が配され、楠の化石を使った石橋が架かっています。安曇川の清流と比良山系を借景とした静かな佇まいは、訪れる人々に癒しを与えます。

交通アクセス

自動車

京都から：
国道367号経由で約1時間15分（京都大原から約35分）
国道161号、堅田経由国道367号で約1時間25分（琵琶湖大橋から約35分）
国道161号、安曇川経由で約2時間（安曇川から約20分）
小浜から：
国道303号、国道367号経由で約50分

鉄道・バス

JR湖西線安曇川駅下車： 江若バスで約30分（岩瀬または朽木学校前下車）
JR湖西線堅田駅下車： 江若バスで約1時間20分（岩瀬または朽木学校前下車）
京阪電車出町柳駅から： 京都バスで約1時間30分（岩瀬または朽木学校前下車）

脚注

関連項目

中嶋の戦い

外部リンク

朽木の名刹 興聖寺公式ホームページ
興聖寺/滋賀県観光情報
* 興聖寺（こうしょうじ）・旧秀隣寺庭園/高島市公式ホームページ

興聖寺は、歴史と文化が深く根付いた寺院であり、美しい庭園とともに訪れる人々に静寂と安らぎを与えてくれます。四季折々の自然とともに、その歴史と美しさを感じてみてください。

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