花柳寿楽 (3代目)

3代目花柳寿楽（1967年3月12日 - ）は、花柳流の日本舞踊家であり、俳優としても広く知られています。本名を青山典裕といい、過去には青山裕一、花柳典裕という芸名も使用していました。

生い立ちとキャリア

学習院大学経済学部を卒業後、演出家の蜷川幸雄氏との出会いをきっかけに、俳優としての活動をスタートさせました。初舞台は『にごり江』。その後、1990年に3代目花柳錦之輔を襲名、さらに2009年には3代目花柳寿楽を襲名しました。2012年には、第1回花柳寿楽舞踊會にて、三代目花柳寿輔の代表作である『夢殿』を二代家元の振付で復活させ、その功績により芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。2024年には、長年の芸術活動への貢献が認められ、紫綬褒章を受章しています。

家族

二代目花柳錦之輔を父に持ち、祖父は二代目花柳壽楽という舞踊の名門に生まれています。弟は花柳典幸で、叔父には俳優の青山良彦がいます。親戚には花柳流宗家家元三世花柳壽輔や、十五代目片岡仁左衛門などがおり、芸能一家の血筋を受け継いでいます。

多彩な活動

NHK大河ドラマでは、「大名」「征夷大将軍」「天皇」「公家」「商人」と、様々な身分の役柄を演じ分けています。所属事務所はオフィス天童です。また、舞台では、蜷川幸雄演出作品に多数出演するほか、数多くの舞踊公演も開催しています。

主な出演作品

映画

『ひとひらの雪』（1985年）
『利休』（1989年） - 高山右近役
『忠臣蔵外伝 四谷怪談』（1994年） - 岡野金右衛門役
『梟の城』（1999年） - 石田三成役
『スパイ・ゾルゲ』（2003年） - 昭和天皇役

テレビドラマ

大河ドラマ（NHK）
『武田信玄』（1988年） - 北条氏政役
『信長 KING OF ZIPANGU』（1992年） - 足利義昭役
『徳川慶喜』（1998年） - 孝明天皇役
『平清盛』（2012年） - 藤原俊成役（所作指導も担当）
『麒麟がくる』（2021年） - 島井宗室役（所作指導も担当）
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』（2025年）- 瀬川菊之丞 役（所作指導も担当）
水戸黄門（TBS / C.A.L）
第19部 第2話（1989年） - 内藤義孝役
第28部 第9話（2000年） - 青山数正役
第29部 第1話、第5話（2001年） - 徳川綱豊役
その他
『柳生武芸帳 柳生十兵衛五十人斬り』（1990年、日本テレビ） - 徳川家光役
『柳生十兵衛・決闘！花の吉原』（1991年、TBS） - 木村助九郎役
『忠臣蔵 風の巻・雲の巻|忠臣蔵_風の巻・雲の巻』（1991年、フジテレビ） - 浅野大学役
『暴れん坊将軍IV』（1992年、テレビ朝日） - 村井秀太郎役
『暴れん坊将軍VI』（1995年、テレビ朝日） - 土屋兵馬役
『銭形平次』（1992年、1997年、フジテレビ） - 太郎吉、天野宗歩役
『藏』（1995年） - 篠山征義 役
『阿部一族』（1995年、フジテレビ） - 細川光尚 役
『編笠十兵衛』（1997年、テレビ東京）- 笠原長右衛門役
『輪違屋糸里』（2007年、TBS） - 松平容保役

舞台

『にごり江』
『テンペスト』
『女たちの忠臣蔵』
『孤愁の岸』
『十六夜心中』
『幡随院長兵衛』
『感動するRO-DO-KU 生きるよろこび』（2010年）- 朗読
『感動するRO-DO-KU LIVE 生きるよろこび』（2018年）- 朗読

舞踊公演

創作舞踊劇場公演
『高野聖』
『今いざやかぶかん』
『カルメン』
『火の鳥』
『陰陽師』
その他
日本舞踊協会公演
華扇会
花柳壽楽舞踊会
錦之輔・典幸勉強会

受賞歴

舞踊批評家協会新人賞
第59回文化庁芸術祭新人賞
第27回松尾芸能賞舞踊新人賞
花柳壽応賞新人賞
芸術選奨文部科学大臣賞
日本芸術院賞
紫綬褒章

振付作品

歌舞伎公演
『二人椀久』
『団子売』
『土蜘』
『吉田屋』
蜷川幸雄作品
『近松心中物語』
『テンペスト』
『王女メディア』
『天保十二年のシェイクスピア』
『身毒丸』
『たいこどんどん』
『ペリクリーズ』
『唐版 滝の白糸』
宝塚作品
『あさきゆめみし』
『永遠物語』
『JIN-仁-』
『壬生義士伝』
『桜華に舞え』
TVドラマ
『平清盛』（2012年） - 所作指導
『麒麟がくる』（2020年） - 所作指導
『ぴんとこな』（2013年） - 振付・所作指導
『あまちゃん』（2013年） - 所作指導
『どうする家康』（2023年）- 所作指導
『光る君へ』（2024年）- 所作指導

その他

新橋演舞場 『オセロー』
滝沢演舞城
OSK春のおどり、秋のおどり
松竹、東宝商業演劇
endless SHOCK
BSマンガ夜話『うしおととら』（2001年） - ゲスト出演

3代目花柳寿楽は、伝統的な日本舞踊の世界で研鑽を積む一方、俳優としてもその才能を発揮し、現代劇から時代劇まで幅広く活躍しています。その活動は、日本の伝統文化と現代演劇の融合を体現していると言えるでしょう。

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