若松平

若松平氏：北海道競馬史に名を刻んだ名調教師

若松平氏（1949年8月28日生まれ）は、北海道河東郡音更町出身のホッカイドウ競馬所属の元調教師です。その卓越した調馬術と高齢馬の育成で知られ、北海道競馬界に大きな足跡を残しました。

若松氏の父、若松進氏はホッカイドウ競馬において繋駕速歩競走の騎手会長を務め、その廃止後は平地競走の調教師に転身しました。若松平氏は当初、父の厩舎で厩務員として経験を積み、その後、1983年4月1日に自身も調教師として開業しました。

開業早々、同年4月18日に初出走、同年4月25日には初勝利を収めると、順調にキャリアを重ねていきます。1984年には中村光春厩舎から移籍したシバフイルドーでクイーンカップを制覇し、前厩舎からの通算6連覇という日本記録を達成するなど、早くからその手腕を発揮しました。

若松氏の調教師としての真骨頂は、高齢馬の管理における卓越した能力でした。代表的な例として挙げられるのが、オースミダイナーです。この馬は13歳（旧表記）で北海道スプリントカップを制し、ダートグレード競走における最高齢優勝記録を樹立。さらに翌年には13歳（現表記）でエトワール賞を優勝し、日本重賞競走の最高齢優勝記録も更新しました。

オースミダイナー以外にも、10歳でステイヤーズカップを制したシンコウリーダー、12歳で現役復帰したキャニオンロマンなど、数々の高齢馬を管理し、その潜在能力を最大限に引き出すことに成功しました。

若松氏の活躍は北海道の枠を超えていました。中央競馬への遠征では、2003年にシャンハイジャンプで初勝利（札幌競馬場・2歳500万円以下）を挙げ、2007年にはハートオブクィーンで函館競馬場のラベンダー賞と函館2歳ステークスを制覇するなど、高い競争力を見せつけました。

また、若松厩舎出身のボールドフェイスは、1991年の東京大賞典（大井競馬場）を制覇するなど、他地区でも活躍馬を輩出しました。

長年にわたる調教師生活の中で、若松氏は数々の重賞競走を制しました。北海道スプリントカップ、北海優駿、ステイヤーズカップ、瑞穂賞、赤レンガ記念、エトワール賞、クイーンカップ、北斗盃、王冠賞、フロイラインカップ、栄冠賞、フローラルカップ、銀杯、黄菊賞、ゴールドトロフィーなど、その勝利数は枚挙に暇がありません。さらに、北日本オークス（上山競馬場）、新潟市制100周年記念（新潟競馬場・地方競馬）など他地区の重賞競走でも優勝を経験しています。

若松平氏は佐々木国明氏、亀井洋司氏らを所属騎手として迎え、女性[[騎手]]の佐々木明美氏（国明氏の姉）もかつて所属していました。

2019年、通算1155勝（地方競馬1152勝、中央競馬3勝）という輝かしい戦績を残し、調教師を引退しました。北海道競馬界に多大な貢献をした若松平氏の功績は、長く語り継がれることでしょう。

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