茨田枚野

茨田枚野の生涯と官歴

茨田枚野（まんだ の ひらの）は、奈良時代中期から後期にかけて活動した官人で、その生没年は不明である。彼の姓は無姓から宿禰に変更され、官位は外従五位下、さらに東市正にまで昇進している。

初出と称号の授与

茨田枚野の名が初めて史料に登場するのは、聖武天皇の治世にあたる天平19年（747年）6月のことであった。この際、彼は外従五位下の女官、茨田弓束と共に宿禰姓を賜与された時に従八位下の地位にあった。彼に関する記録はその後しばらく存在しないが、淳仁朝の天平宝字2年（758年）8月には、天皇の即位に伴い、正六位上から外従五位下へと昇叙された。

官歴の詳細と主な業績

天平宝字3年（759年）5月には備中介に任命され、その後も順調に官職を昇進していった。特に注目すべきは、天平宝字4年（760年）に鋳造・発行された万年通宝の製造に関与したことである。この貨幣は、和同開珎以来、約50年ぶりの新たな通貨としてその重要性が高く、彼の役割が大いに期待されたことがうかがえる。

茨田枚野はその後も官職を歴任し、最終的には東市正に任じられた。しかし、藤原仲麻呂の乱以降の彼の動向については詳細な記録が残っていないため、生涯の大部分は謎に包まれたままとなっている。

官歴一覧

茨田枚野の官歴について、『続日本紀』に記載された情報を以下にまとめる。
- 時期不詳：従八位下
- 天平19年（747年）6月7日：賜姓宿禰
- 時期不詳：正六位上
- 天平宝字2年（758年）8月2日：外従五位下
- 天平宝字3年（759年）5月17日：備中介
- 天平宝字5年（761年）正月16日：鋳銭次官
- 天平宝字6年（762年）正月9日：東市正

参考文献

茨田枚野に関する詳細な文献としては、以下の資料が挙げられる。

• - 『[続日本紀]]』3（新日本古典文学大系14、岩波書店、1992年）
• - 宇治谷孟『続日本紀]』（[[講談社学術文庫、1992年）
• - 『日本古代人名辞典』6（竹内理三・山田英雄・平野邦雄編、吉川弘文館、1973年）

以上のように、茨田枚野は奈良時代の官人として多くの実績を収めた司令官であり、その貢献は後世にまで影響を与えたと考えられる。

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