藤原顕家 (小野宮流)

藤原顕家（ふじわら の あきいえ）

藤原顕家は、平安時代中期から後期にかけて活躍した公卿です。藤原北家小野宮流の出身で、権中納言・藤原経通の四男として生まれました。最終的な官位は正三位・参議にまで昇りました。

経歴

後一条天皇の時代の長元7年（1034年）に従五位下に叙爵され、 политическую карьеру をスタートさせました。後朱雀天皇の時代には、右衛門佐や少納言などの役職を歴任し、着実に昇進を重ねました。長暦3年（1039年）には従五位上、長久5年（1044年）には正五位下に昇進しています。

寛徳2年（1045年）に後冷泉天皇が即位すると、顕家は五位蔵人兼右近衛少将に任ぜられ、天皇の側近として仕えることになります。その後も、永承2年（1047年）に従四位下、永承5年（1050年）に従四位上、永承6年（1051年）には左近衛少将と、後冷泉天皇の前半期は近衛少将として昇進を重ねました。天喜4年（1056年）には正四位下・皇后宮権亮に叙任され、皇后・藤原寛子に仕えました。康平元年（1058年）に右中弁を兼任すると、康平2年（1059年）には蔵人頭、康平5年（1062年）には権左中弁と、後冷泉天皇の後半期は弁官として昇進を重ねました。

康平6年（1063年）に従三位・参議に叙任され、ついに公卿の仲間入りを果たします。しかし、京官の兼任を解かれ、讃岐権守のみを兼帯することになりました。後冷泉天皇の時代の終わりである治暦3年（1067年）には、正三位・大宰大弐に叙任され、大宰府へと赴任します。後三条天皇の時代の終わりである延久3年（1071年）に大宰大弐を辞任し、翌延久4年（1072年）11月には全ての官職を辞しました。

寛治3年（1090年）12月22日に薨去。享年66歳。最終的な官位は前参議兼大宰大弐正三位でした。

官歴

以下は、『公卿補任』に基づく藤原顕家の官歴です。

長元7年（1034年） 11月19日：従五位下（上東門院臨時御給）
長元8年（1035年） 3月4日：美濃権守
長暦元年（1037年） 3月5日：右衛門佐
長暦3年（1039年） 正月6日：従五位上
長久3年（1042年） 正月29日：少納言
長久5年（1044年） 正月6日：正五位下
寛徳2年（1045年） 正月16日：五位蔵人。10月23日：右近衛少将
寛徳3年（1046年） 2月11日：兼美作権介
永承2年（1047年） 正月7日：従四位下（少将労）。正月13日：昇殿
永承4年（1049年） 正月7日：東宮昇殿（東宮・尊仁親王）
永承5年（1050年） 11月13日：従四位上（朔旦、上東門院御給）
永承6年（1051年） 正月12日：左近衛少将。8月16日：服解（父）。11月5日：復任
永承7年（1052年） 正月26日：近江介
天喜4年（1056年） 2月3日：皇后宮権亮（皇后・藤原寛子）、止少将。2月22日：正四位下（自四条宮遷御一条院日、宮司賞）
康平元年（1058年） 11月8日：兼右中弁
康平2年（1059年） 2月18日：蔵人頭（頭弁）
康平3年（1060年） 2月21日：兼讃岐権守
康平5年（1062年） 3月13日：権左中弁。4月22日：兼内蔵頭
康平6年（1063年） 2月27日：参議、元蔵人頭権左中弁皇后宮権亮、讃岐権守如元。4月30日：従三位（去年行幸石清水賀茂行事賞）
康平7年（1064年） 3月4日：兼讃岐権守
治暦3年（1067年） 7月1日：兼大宰大弐。8月22日：正三位（赴任賞、超資綱）
延久2年（1070年） 6月15日：遭母喪
延久3年（1071年） 3月：辞大弐
延久4年（1072年） 11月：辞
寛治3年（1089年） 12月14日：出家。12月22日：薨去

系譜

父：藤原経通
母：源高雅の娘 - 藤原経平母の妹
妻：源頼国の娘
男子：藤原基実（?-1108）
生母不明の子女
男子：頼慶

脚注

参考文献

『公卿補任 第一篇』吉川弘文館、1982年
* 『尊卑分脈 第二篇』吉川弘文館、1987年

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