西サハラの歴史

西サハラの歴史

西サハラの歴史は、紀元前5世紀のカルタゴの航海者ハンノの時代にまで遡ります。しかし、近代的な意味での歴史は、ベルベル人部族の支配下にあった遊牧民にルーツを持ち、8世紀にイスラム教とアラビア語が導入された頃から始まります。

古代から植民地時代まで

西サハラ地域は、現代の国家を形成した経験がありません。古代にはフェニキア人が植民していましたが、その痕跡はほとんど残っていません。イスラム教は8世紀にこの地域に到達しましたが、砂漠化の影響で発展は限定的でした。1884年、スペインがボハドール岬からブラン岬までの海岸を保護領と主張し、領域を拡大しました。1958年には、スペイン領サハラとして地区が統合されました。

国際司法裁判所の勧告と緑の行進

1975年、国際司法裁判所は西サハラの地位について勧告を出しました。一部の部族がモロッコと歴史的な繋がりを持つものの、領土主権の繋がりを確立するには不十分であると判断されました。同年11月、モロッコは非武装の市民30万人を動員して西サハラへ進入する「緑の行進」を実行し、スペインは西サハラから撤退しました。

モロッコの併合とポリサリオ戦線

1976年、モロッコは西サハラの北部2/3を併合し、1979年には残りの部分も併合しました。これに対し、ポリサリオ戦線はサハラ・アラブ民主共和国の建国を宣言し、モロッコに対してゲリラ戦を開始しました。この紛争は1991年の停戦まで続き、住民投票による独立か併合かの選択が合意されましたが、有権者認定の問題から実施されていません。

11世紀から19世紀

11世紀から19世紀にかけて、西サハラはブラックアフリカと北アフリカの間に位置し、サハラ交易の要衝として機能しました。11世紀にはサンハジャ部族連合がムワッヒド朝を立て、広大な地域を支配しました。16世紀にはサアド朝がソンガイ帝国を征服し、マリのトンブクトゥとモロッコのマラケシュを結ぶキャラバン隊の戦略的交通路となりました。17世紀と18世紀には奴隷貿易が盛んに行われました。

スペイン植民地時代

19世紀末、ベルリン会議によって西サハラはスペインの植民地となり、スペイン領サハラと呼ばれるようになりました。1975年11月6日、モロッコは緑の行進を組織し、スペインはマドリード協定に調印してこの地域を放棄しました。

現代の紛争

西サハラには、モロッコとポリサリオ戦線との間の係争地域が残っています。モロッコは歴史的な繋がりを主張し、一方ポリサリオ戦線は独立を求めています。この係争はマンハセット交渉によって解決が保留されています。

ベルベル人部族の支配

紀元前5世紀にはフェニキア・カルタゴ人が植民地を設立しましたが、その痕跡はほとんど残っていません。サハラの砂漠化により、外部との接触は困難でした。8世紀にイスラム教が伝来する以前は、ベルベル人がサハラ西部に住んでいました。ベルベル人は徐々にサハラの交易ルートを開発し、塩、金、奴隷を取引しました。宗教的指導者によって結束し、ムラービト朝などの王朝を立てることもありました。

ムラービト朝とザーウィヤ

ムラービト朝の動きは社会の完全な変化の始まりであり、ザーウィヤが重要な役割を果たしました。ザーウィヤはイスラム教育の中心地として機能し、新しい指導者層を輩出しました。彼らは伝統的な軍事集団から分離し、精神的な理想を重視しました。

ムワッヒド朝によるアラブ化

ムラービト朝統治下では、戦士たちがジハードを戦いました。Maqilアラブ部族の到来により、アラブ化が加速しました。ザヴィア部族はベルベル人の特徴を保持し続ける一方、戦士たちはアラブ化を試み、部族の系譜をアラブ化しました。アラブ化したベルベル人はサハラのオアシス居住地を支配し、サハラの奴隷貿易において重要な役割を担っていました。

サアド朝

ムラービト朝の崩壊後、新しい王朝がサハラ西部において保守的な政権を保持し続けました。サハラ西部でモロッコの主権が完全となったのはサアド朝が権力を握ったときのみでした。サアド朝はポルトガルの入植者たちを追い出し、ソンガイ帝国を滅ぼしました。

植民地時代

19世紀後半、ヨーロッパ列強諸国はアフリカに足がかりを作ろうとしました。ベルリン会議の結果、西サハラはスペインの支配下となりました。1904年にMa al-'Aynaynが植民地支配に反対するジハードを唱えましたが、モロッコのスルターンにはこれを抑える力がありませんでした。

サハラウィー人部族

サハラウィー人は、サハラ砂漠の西端に住むアラブ化したベルベル人です。彼らの文化は、ベルベル人、アラブ人、その他の影響を受けています。植民地時代以前は、モロッコ国王のような北アフリカの支配者からの影響は限定的でした。

スペイン領サハラ

1956年にモロッコが独立を達成すると、スペイン領サハラの領有権に関する主張を再開しました。1957年のイフニ戦争でモロッコ解放軍はシディ・イフニーを占領しましたが、スペインが奪還しました。同年、スペインはサギア・エル・ハムラとリオ・デ・オロを、スペイン領サハラ州として統合しました。

ゼムラ蜂起

1970年6月17日、アイウンのゼムラ地区でハラカト・タハリールが反植民地デモを行なった。これをスペインが弾圧した事件はゼムラ蜂起と呼ばれています。この事件を契機に、反植民地運動は武力闘争の性格を帯び、1973年にはポリサリオ戦線が結成されました。

西サハラ戦争

1975年後半、スペインはポリサリオ戦線の指導者と会談しましたが、同時にモロッコとモーリタニアが圧力をかけ始めました。国際司法裁判所は、両国の歴史的な繋がりは領有権を与える物ではないと判断しました。1975年11月6日、モロッコは西サハラへと緑の行進を始めました。その結果スペインはマドリード協定を結び、西サハラから撤退しました。

停戦

1991年にモロッコとポリサリオ戦線は停戦に合意しました。住民投票による独立か併合かの選択が合意されましたが、有権者数について揉めているため、住民投票は未だ行われていません。

西サハラ紛争におけるアルジェリアの役割

アルジェリアは、民族自決の単純な擁護者だと主張しています。アルジェリアはポリサリオ戦線に資金を提供しています。国連はモロッコとポリサリオ戦線を紛争における唯一の当事者と考えています。

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