諸葛恢

諸葛恢（しょかつ かい）

諸葛恢（284年 - 345年）は、東晋時代の政治家であり、字を道明と称しました。彼は琅邪郡陽都県（現在の山東省臨沂市）の出身で、祖父は三国時代の魏に仕えた諸葛誕、父は魏滅亡後に呉に仕えた諸葛靚であり、蜀漢の丞相・諸葛亮とは遠縁にあたります。

経歴

若くして才能を高く評価された諸葛恢は、西晋時代に即丘県令、臨沂県令を歴任し、優れた行政手腕を発揮しました。その後、永嘉の乱を避けて江南へと移り、東晋に仕えることになります。彼の名声は、当時の有力貴族であった王導率いる琅邪王氏と並び称されるほどでした。王導からは「黒髪の宰相になるだろう」と将来を嘱望されていたと伝えられています。また、同時期に潁川の荀闓（荀藩の子）と陳留の蔡謨も字が「道明」であり、彼らもまた高い名声を持っていました。そのため、諸葛恢と合わせて「中興三明」と称えられました。

東晋では、元帝、明帝、成帝の三代に仕え、成帝の咸康8年（342年）には尚書令という要職にまで昇りつめました。

咸康7年（341年）には、燕王を自称していた前燕の慕容皝が、東晋に対して燕王としての公認を求める使者として劉翔らを派遣しました。これは、慕容皝が当時後趙の石虎と対立しており、東晋との関係を強化しようとしたためでした。諸葛恢は、劉翔の姉を妻としていましたが、「夷狄同士が争うことは中国にとって有利な状況です。しかし、器（官位）と名（称号）は、軽々しく与えるべきではありません」と主張し、慕容皝の燕王としての公認に反対しました。しかし、最終的には東晋は慕容皝の王位を公認することとなりました。

永和元年（345年）、諸葛恢は62歳で亡くなりました。その功績を称えられ、諡号として「敬」が贈られました。

家庭

妻
劉氏 - 劉翔の姉
男子
諸葛甝 - 長男、建安伯・散騎常侍
諸葛虪 - 次男、関内侯
諸葛衡 - 滎陽郡太守
女子
諸葛文彪 - 長女、庾会（庾亮の子）の妻、後に江虨（江統の子で、江夷の祖父）の妻
諸葛氏 - 次女、羊楷（羊忱の子で、羊祜・羊徽瑜の従兄弟の羊繇の孫）の妻
諸葛文熊 - 謝石（謝安の弟）の妻

家系図

（家系図の情報は省略）

関連項目

* 清和政策研究会 - 元帝が諸葛恢の統治を称賛した詔にある「政清人和（まつりごと清ければ人おのずから和す）」の語句が名称の由来となっています。

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