譚人鳳

譚人鳳（たん じんほう）

譚人鳳は、清末から民初にかけての激動期に活躍した革命家です。字は石屏といい、中国同盟会時代から、辛亥革命、第二革命、護国戦争、護法運動など、数々の革命運動に身を投じました。

生い立ちと革命への目覚め

譚人鳳は13歳で秀才となるほどの学識を持ちながら、16歳で秘密結社である洪門に加わりました。日[[清戦争]]後、西洋の新しい学問に触れる中で、清朝への反感と革命思想に傾倒していきました。1903年頃からは、小学校長を務める傍ら、革命のための秘密組織を立ち上げましたが、発覚したため1906年に日本へ亡命しました。

中国同盟会への加入と革命運動

日本では、黄興の紹介で中国同盟会に加入し、革命運動に本格的に参加しました。湖南省での蜂起を試みるも失敗に終わり、再び日本に戻り法政学校で学びました。その後、孫文の蜂起を支援するために安南（現在のベトナム）へ渡るも失敗、帰国後は中国国内で革命派の組織化と連絡に奔走し、広州での蜂起にも参加しました。

辛亥革命での活躍

1911年の辛亥革命では、湖北省での蜂起計画に参加し、上海では同盟会中部総会の設立に尽力しました。武昌起義が勃発すると、漢口に急行し湖北軍政府の樹立に協力。その後、湖南省に向かいますが、革命派と立憲派の対立により混乱が生じ、湖北省に戻り革命軍を率いて戦いました。また、各省代表会議では湖南省代表として議長を務め、臨時政府組織大綱の制定に貢献しました。

民初における活動と晩年

中華民国成立後、譚人鳳は宋教仁から国民党への参加を誘われましたが、政党による反袁世凱闘争に疑問を抱き参加しませんでした。しかし、宋教仁が暗殺されると、第二革命に参加、敗北後は日本へ亡命しました。その後、護国戦争に参加し、各地で活動。護法運動では孫文を補佐し、構成員間の連絡に従事しました。病のため上海で療養生活を送っていましたが、1920年、61歳で亡くなりました。その功績から、1935年に国民政府より陸軍上将位が追贈されています。

北一輝との関係

譚人鳳の死後、遺児は北一輝に引き取られ、北大輝として養子に迎えられ育てられました。この事実は、譚人鳳の生涯における、もう一つの側面として注目されています。

譚人鳳の人物像

譚人鳳は、中国同盟会以来の革命派人士として、辛亥革命をはじめとする数々の革命運動に身を投じました。革命運動においては、組織の結集や連絡、軍の統率など、重要な役割を担いました。また、その思想は、政党に頼らず、民衆の力を信じるものであり、その後の中国の民主化運動に影響を与えました。

譚人鳳は、中国の近代史において、その激動の時代を駆け抜け、革命運動に多大な貢献を果たした人物として、後世に語り継がれています。

参考資料

周天度「譚人鳳」中国社会科学院近代史研究所『民国人物伝 第2巻』中華書局、1980年。
徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。ISBN 978-7-202-03014-1。
楊鴻年・欧陽鑫『中国政制史』安徽教育出版社、1989年。ISBN 7-5336-0391-5。
及川恒忠『支那政治組織の研究』啓成社、1933年。

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