越後上田郵便局

新潟県南魚沼市の上田地区に位置する越後上田郵便局（えちごうえだゆうびんきょく）は、地域に根差した郵便局です。局名は、かつてこの地に存在した上田村の名を今に伝えています。当地を象徴する風景印の図案には、雄大な名峰・巻機山と、曹洞宗の古刹として知られる雲洞庵が選ばれており、訪れる人々に地域の特色を伝えています。風景印に押印される局名表記は『新潟越後上田』となっています。

沿革

越後上田郵便局は、昭和初期にあたる1929年（昭和4年）4月11日にその歴史を開始しました。長年にわたり地域社会に貢献してきましたが、時代の変化とともに一部機能の変更も行われています。かつて郵便事業の一部を担っていた併設の郵便事業六日町支店越後上田集配センターは、2008年（平成20年）8月25日にその役割を終えました。

近年、越後上田郵便局は郵便・貯金・保険といった従来の枠を超え、地域住民の利便性向上に向けた革新的な取り組みを積極的に進めています。2017年（平成29年）8月7日にはキオスク端末設置に関する協定が締結され、同年10月2日には住民票、印鑑登録証明書、所得証明書といった公的な証明書を発行できるマルチコピー機（証明書発行機）が設置されました。これにより、役場窓口に行かずとも身近な場所で各種証明書を取得できるようになり、利便性が大きく向上しました。同年12月1日には、南魚沼市のふるさと納税返礼品として、高齢者向けの「みまもり訪問サービス」が新たに加わり、地域福祉への貢献も図られています。

さらに特筆すべきは、2022年（令和4年）6月24日に開始されたローソン初の「移動販売専用店舗」の運用です。これは郵便局の空きスペースを配送拠点として活用し、買い物に不便を感じている地域の方々へ商品を届ける画期的な取り組みであり、地域における郵便局の新たな役割を示す事例となっています。また、2016年（平成28年）5月22日には当時の青木局長が全国郵便局長会長に就任するなど、要職を輩出している点も注目されます。

提供サービス

越後上田郵便局では、多岐にわたるサービスを提供しています。

郵便関連サービス: 郵便物の差出し、切手・印紙類の販売、ゆうパック、チルドゆうパック、内容証明の取扱い。
貯金関連サービス: 貯金業務全般、貸付、為替、振替、振込、国債の取扱い。
保険関連サービス: 生命保険、がん保険、バイク自賠責保険の加入手続き。
ATM: ゆうちょ銀行のATMが設置されており、入出金や送金などの手続きが利用可能です。
行政サービス: 住民票、印鑑登録証明書、所得証明書といった各種証明書の発行サービスを提供しています（マルチコピー機による）。

周辺地域の環境

郵便局周辺には、豊かな自然と文化的な名所が点在しています。近隣には、レクリエーションの場として親しまれる登川河川公園があります。また、南魚沼地域を代表する企業として、高千代酒造やテーブルマーク新潟魚沼工場が立地しています。信仰の場としては、大福寺、槻岡寺、歴史ある雲洞庵、龍泉院といった寺院が静かに佇んでいます。教育施設としては、第二上田小学校や地域の拠点である上田の郷があります。周囲には金城山、愛宕山、清水峠といった山々が連なり、さらに高平ノ頭、ロクロノ頭、無黒山、姥見ノ頭といった峰々も望むことができます。この地域は、広大なみなかみユネスコエコパークの一部にも指定されており、美しい自然景観に恵まれています。

交通アクセス

越後上田郵便局へのアクセスは以下の方法があります。

車: 関越自動車道塩沢石打インターチェンジからは、新潟県道28号塩沢大和線を経由し、国道291号を進むルートで約20分です。郵便局には4台分の駐車場が備えられています。
バス: JR上越線六日町駅からは、南越後観光バスの沢口・清水行に乗車し、約20分で最寄りのバス停に到着します。
市民バス: 六日町駅角から運行されている市民バスの上田・泉田コースを利用すると、約25分で郵便局近くまでアクセスできます。

越後上田郵便局