趙重応

趙 重応の生涯とその影響

趙重応（ちょうじゅうおう）は、1860年11月4日に生まれ、1919年8月25日に亡くなった政治家です。彼は李氏朝鮮の末期から大韓帝国時代にかけて活躍し、親日派としての立場から様々な政治的活動を行いました。しかし、彼の評価は歴史上賛否が分かれるものとなっています。

幼少期と教育

趙重応は、漢城（現在のソウル）で少論派両班の家庭に生まれ育ちました。幼い頃から儒教を学び、1878年には成均館中学東斎に入学し、館学儒生としての教育を受けます。彼の政治的基盤は、この頃の学びによって形成されたと言えるでしょう。

政治活動の始まり

1880年には初試に合格し、その後殿上に昇進します。そして1883年からは西北辺界調査委員として、シベリアや満州、外蒙古の地を調査する任務に就きます。この時期から彼は国際的な視野を持つこととなり、特に日本との関係構築が進むことになります。

日本との関係

1894年の日清戦争が勃発する少し前、趙重応は李垠の随行員として日本に渡り、その後外務衙門の参議に任命されます。この時期から彼は日本との関係をより深めるようになり、親日的な政策を支持する立場を取ります。1895年の乙未事変では、法部刑事局長として閔妃の廃妃問題に関与しました。これが彼の政治活動の中でも特に注目される出来事の一つです。

亡命と帰国

1896年には露館播遷が起こり、これに伴い彼は日本に亡命を余儀なくされます。この亡命中、彼は近代的農業技術を学び、政治学や法律学にも取り組みます。光武10年（1906年）、特赦を受けて帰国し、その後は政治活動を再開します。

政治的地位の向上

帰国後、趙重応は統監府の嘱託を務めた後、1907年には李完用内閣の法部大臣に任命され、さらには刑法改定の総裁も担当します。彼は第三次日韓協約の締結にも尽力し、その功により勲二等太極章を受章し、正二品資憲大夫に昇進しました。

日韓併合

1910年には日韓併合条約の締結に貢献し、その功績により大勲位李花大綬章を授与され、朝鮮貴族として子爵に列せられることになりました。さらに、朝鮮総督府中枢院の顧問としての役割を果たし、政治的影響力を炙り出しました。

死後の評価

趙重応の死後、彼は2002年に発表された親日派名簿に掲載され、2005年には民族問題研究所で整理された親日人名辞書にも収録されました。その後、親日反民族行為者財産調査委員会は、彼の財産を国家に還収する決定を下しましたが、子孫たちはこれに反発し訴訟を起こしました。

栄典

晩年には、1919年に従三位に叙され、勲章としては大礼記念章や旭日桐花大綬章が授与されました。

結論

趙重応は朝鮮の歴史の中で重要な役割を担った政治家ですが、彼の活動は今もなお分かれる意見を呼んでいます。彼の影響は、日韓関係や韓国の歴史において無視できないものとなっています。

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