輸入感染症

輸入感染症とは

輸入感染症（ゆにゅうかんせんしょう）は、日本国内では見られない病原体が海外から持ち込まれて発症する感染症のことを指します。通常、海外旅行や輸入された動植物、食品を通じて広がることが多く、旅行者感染症（りょこうしゃかんせんしょう）とも称されます。具体的には、ウイルス、細菌、原虫、菌類などがこれに当たります。

主な感染経路

感染症は様々な経路を持ち、以下のように分類できます。まず、飲食物を介して経口感染する病原体には、コレラ、腸チフス、A型肝炎、E型肝炎などがあります。また、蚊が媒介する感染症としては、マラリアやデング熱、日本脳炎などがあります。他にも、狂犬病やラッサ熱といった哺乳動物から感染するものもあり、感染のリスクは多方面にわたります。

主な輸入感染症の一覧

• - 経口感染: コレラ、腸チフス、A型肝炎、細菌性赤痢、クリプトスポリジウム症、腸炎ビブリオ感染症など。
• - 蚊が媒介するもの: マラリア、デング熱、ジカ熱、日本脳炎など。
• - 哺乳動物から感染: 狂犬病やラッサ熱。
• - その他: 麻疹、風疹、新型インフルエンザ。

特に、南アジアから持ち込まれることが多いのは細菌性赤痢や腸チフスであり、東南アジア由来のコレラやデング熱も増えています。

広義の輸入感染症

一部の感染症は国内でも感染者が多いものの、海外からの帰国者によって持ち込まれることもあるため、広義の輸入感染症として扱われることがあります。これには結核や風疹、ノロウイルス感染症、HIV、各種性感染症などがあります。

今後の懸念される感染症

今後日本に輸入される可能性がある感染症として、中東呼吸器症候群（MERS）や新型コロナウイルス、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、黄熱病、ハンタウイルス感染症などが挙げられます。

具体的な感染症

1. MERS: 中東地域で流行し、感染力と致死率が高い。
2. 鳥インフルエンザ: ヒトへの感染が報告されており、変異した場合のリスクが高い。
3. エボラ出血熱: 感染力と致死率が非常に高い。
4. 黄熱: 予防接種により防げるが、発症した場合は致死率が高い。
5. クリミア・コンゴ出血熱: 大型哺乳動物やダニが媒介。

過去の事例

天然痘やペスト、炭疽、ジフテリアなどは過去に日本で多くの死者を出してきました。これらの病気が再発する可能性も無視できません。特に、天然痘はワクチン接種によって根絶されましたが、保管されているウイルスが生物兵器として利用される危険性が指摘されています。

まとめ

輸入感染症は旅行者や輸入品を通じて日本国内に持ち込まれることが多く、特にグローバル化が進む現代において、そのリスクは増加しています。適切な予防策と情報の収集が必要であり、特に感染症に関する知識を深めることが重要です。

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