近鉄1400系電車

近鉄1400系電車

近鉄1400系電車は、近畿日本[[鉄道]]が保有する通勤形電車の一系列です。1970年代後半の省エネルギー化の要求に応え、界磁チョッパ制御を採用したことが特徴です。本系列に加え、2両ユニットの1200系電車（2代）、そのワンマン運転対応車である1201系電車、3両編成の2050系電車、そして南大阪線系統で使用される6600系電車についても解説します。

概要

近鉄では、1970年代後半に省エネルギーに優れた新型通勤車両の導入計画が浮上しました。まず、電機子チョッパ制御を採用した3000系が奈良線・京都線に試験的に投入されましたが、製造コストが高価であったため、よりコストを抑えつつ高速運転に適した界磁チョッパ制御車の開発が進められました。その結果、1981年に1400系が大阪線に、8810系が奈良線系統に投入されました。

1400系

1981年2月から1984年にかけて製造された4両編成の界磁チョッパ制御車両で、計4編成16両が製造されました。編成は大阪上本町寄りからク1500形（奇数・Tc1）-モ1400形（奇数・M1）-モ1400形（偶数・M2）-ク1500形（偶数・Tc2）で構成され、電算記号はFC (0番台) です。

主要機器・性能

1C8M制御の三菱電機製界磁チョッパ制御装置と、回生ブレーキおよび抑速ブレーキ併用電磁直通ブレーキを採用しています。主[[電動機]]は直流複巻整流子[[電動機]]のMB-3270-Aを搭載し、出力は160kW、定格は340Vです。歯車比は4.72、台車は両抱き踏面ブレーキ式のKD-88形を使用しています。パンタグラフは下枠交差型をモ1400形奇数車に2基搭載。最高速度は110km/hです。

車体デザイン

車体は断面形状が大きく変更され、肩部のRを小さくして切妻に近い断面となり、軽量化が図られました。前面デザインも刷新され、窓上部の前照灯周りにはステンレスの飾り板が付き、通過標識灯・尾灯も新型のものに変更されました。このデザインは、後のシリーズ21まで長く採用されました。1405F以降は、製造当初から側面に方向幕が設置されています。

車内インテリア

1984年製造の1407Fでは、ク1508にトイレが設置されました。内装は編成によって異なり、1401F - 1405Fではチーク模様の壁面にマルーンの座席、ベージュ系の床が採用されましたが、1407Fでは白を基調とし、天井はこもれび柄、壁面はサンドウェーブ柄となりました。

改造

2001年から2003年にかけて車体更新が行われ、内装材の交換、車椅子スペースの設置、トイレの洋式化などが実施されました。2020年からはB更新が開始され、座席中央部のスタンションポールの設置、前照灯のLED化、内装の灰色基調化などが行われています。

運用

高安検車区所属の編成は、主に大阪上本町駅 - 青山町駅間で快速急行から普通まで幅広く運用されています。富吉検車区に配置された1407Fは、名古屋線で2610系などと共通運用され、近鉄名古屋駅 - 鳥羽駅間の急行を中心に活躍しています。

1201系

1982年に登場した2両編成の界磁チョッパ車で、1200系1201F - 1210Fとして製造されました。2250系の代替として名古屋線系統のローカル運用に投入され、後にワンマン運転対応改造を受けて1201系に形式変更されました。

主要機器

1C4M制御の三菱電機製界磁チョッパ制御装置を採用し、主[[電動機]]は1400系のMB-3270Aを1C4M用に仕様変更したMB-3277ACを搭載しています。

改造

2001年から2004年にかけて車体更新とワンマン運転対応改造が行われました。運転席側の座席撤去、運賃箱設置、運賃表示器設置などが主な改造点です。2020年からはB更新が施工され、内装の変更や車椅子スペースの設置が行われています。

1200系 (2代目)

1984年に登場した1200系の最終増備車で、サ1380形にトイレを装備しています。他系列と連結して4両固定編成を組成し、基本編成の1201F - 1210Fが1201系に改称されたため、現在は4両のみが1200系（2代目）として存在します。

2050系

1983年に登場した3両編成の界磁チョッパ制御車両で、2470系の置き換え用として製造されました。1200系1207F以降に準じた内装デザインを採用しています。2023年には2回目の更新が行われ、内装の変更や座席の手すり設置などが実施されました。

6600系

1983年に登場した2両編成の界磁チョッパ制御車で、南大阪線系統で使用されています。6411形および6800系の置き換えを目的として製造されました。他線区の界磁チョッパ車に準じた車体・内装を持ち、座席の改良や車体設計の見直しが行われています。2020年から2022年にかけて2回目の更新が行われました。

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