遠山景任

遠山景任（とおやま かげとう）とは

遠山景任は、戦国時代の武将であり、美濃国恵那郡の岩村城主でした。岩村[[遠山氏]]の最後の当主であり、織田信長の叔母であるおつやの方を妻としたことで知られています。

生涯

出自と遠山氏

遠山氏は、藤原利仁を祖とする加藤景廉が遠山荘の地頭となったことに始まります。景廉の子、景朝が岩村に城を構え、その後、遠山氏は七流に分かれて恵那郡を領有しました。その中でも、岩村、苗木、明知の三家が有力であり、「三遠山」と呼ばれていました。岩村[[遠山氏]]は、景朝の子である景員を祖としています。

戦国時代の動乱

鎌倉時代初期には、美濃源氏の土岐氏と遠山氏は並び立っていましたが、南北朝時代には土岐氏が優位となりました。遠山氏も武家勢力として各地を転戦し、隣国の飛騨国司姉小路家と争いました。

景任の時代には、美濃守護の土岐氏が衰退し、遠山氏の領地は、東は武田氏、西は斎藤氏、織田氏、南は今川氏、松平氏、北は三木氏に囲まれる状況でした。

武田氏との関係

1554年、武田氏が信濃に侵攻し、遠山氏の領地と隣接する伊那郡を制圧しました。これにより、遠山氏は武田氏の圧力を受けることになります。景任の父である景前は、武田氏に降伏し、臣従しました。

1557年、景前の死後、景任が家督を継ぎましたが、若年のため、遠山一族の内部で後継者争いが起こりました。武田氏の調停により、景任が当主となります。

織田氏との関係

遠山氏は、武田氏に従属する一方で、織田氏とも関係を維持していました。景任は、織田信長の叔母であるおつやの方を妻に迎え、織田氏との関係を深めました。遠山氏は、武田氏と織田氏の両方に属し、両者の外交関係を仲介する役割も担いました。

桶狭間の戦いでは、弟の直廉が織田信長軍に加わっています。一方で、景任自身は武田信玄と書状をやり取りするなど、武田氏との関係も維持していました。

1563年、景任は家臣に武並神社の社殿の再建を命じ、翌年には社殿が完成し、神事を執り行いました。

1565年、信長が直廉の娘を養女とし、武田勝頼の室とする縁組をまとめたのも、遠山氏を介した織田・武田両家の連携の一環でした。

1568年、直廉が武田信玄の駿河侵攻に動員され、その後戦傷死したことで、他の遠山一族は武田氏に反発し、織田氏や徳川氏と連携するようになりました。

岩村[[遠山氏]]の終焉

1570年、上村合戦で、遠山氏は徳川氏と共に武田氏と戦いましたが大敗を喫しました。しかし、景任が率いる岩村[[遠山氏]]は参戦しませんでした。

1572年、景任が病死し、岩村[[遠山氏]]の血統が途絶えると、織田信長は東美濃の支配権を奪うために、岩村城を占拠しました。信長は、景任の養嗣子として自分の子を送り込み、おつやの方を後見人とした。

しかし、同年、武田信玄は岩村城奪還を命じ、岩村城は武田勢に包囲されました。おつやの方は、秋山虎繁と婚姻するという条件で降伏し、開城しました。これにより、岩村[[遠山氏]]は完全に終焉を迎えました。

景任は、激動の戦国時代において、複数の勢力の間で巧みに立ち回り、一族の存続を図りました。しかし、彼の死後、岩村[[遠山氏]]は歴史の波に飲み込まれてしまいました。

もう一度検索