里公文上

里公文上（さとくもんかみ）

岡山県津山市に属する地域の一つに、里公文上（さとくもんかみ）があります。この地名は、郵便番号709-4626が付与されており、津山市の北部、旧久米郡の地域に位置しています。特筆すべき点として、2020年1月1日現在の住民基本台帳に基づく調査では、その人口が10人となっており、これは津山市内で人が居住する町や字の中で最も少ない人口数であると記録されています。静かで自然豊かな環境にある集落と考えられます。

地理

里公文上は、かつての倭文中村の北西部に位置しています。地理的には、その北部と東部は同じ里公文の区域に接しており、南部は油木北と境を接しています。また、西部は隣接する美咲町の一部である北という地区に面しています。周囲を他の地区に囲まれた山間部あるいは丘陵部の集落であると推測されます。地域内には国道や主要な県道は通過していません。

歴史

里公文上という地名の歴史は、明治時代にさかのぼります。1881年には、当時の里公文上村と里公文下村が合併し、新たに里公文村が成立しました。その後、1889年6月1日に町村制が施行されると、久米北条郡に属していた里公文上村は、里公文村、油木上村、油木北村、油木下村といった周辺の村々と合併し、倭文中村の一部となりました。この際に、里公文上村は大字としての里公文上へと移行します。

郡の変遷としては、1900年4月1日には久米北条郡と久米南条郡が合併し、久米郡が誕生しました。さらに地域の再編が進み、1940年9月1日には久米郡内の倭文中村が倭文東村と合併し、より大きな倭文村となります。

戦後、昭和の大合併期に入り、1955年1月1日には、倭文村が周辺の大井町や久米村と合併し、久米町の一部となりました。この時点でも里公文上は大字として存続していたと考えられます。

そして、平成の大合併における市町村合併により、2005年2月28日、久米町は苫田郡の加茂町・阿波村、勝田郡の勝北町と共に津山市に編入されました。これをもって、里公文上は現在まで続く津山市の地名の一部となったのです。

人口

前述の通り、里公文上の人口は極めて少数です。2020年1月1日時点での人口は10人であり、これは津山市が発表した住民基本台帳・外国人登録台帳に基づくデータで、市内の有人地域としては最小の人口であることが確認されています。2021年1月1日時点のデータも存在しますが、詳細な数値は公開されていませんが、状況に大きな変化はないと推測されます。

参考文献

本項目の作成にあたり、以下の文献が参照されました。

和泉橋警察署 『新旧対照市町村一覧』第2冊（東京：加藤孫次郎, 1889（明22））
地名編纂委員会 『角川日本地名大辞典33 岡山県』（角川学芸出版, 1989, ISBN 4040013301）

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