金炳始

金炳始の生涯と業績

金炳始（きん へいし、1832年11月24日 - 1898年9月16日）は、李氏朝鮮末期に活躍した著名な文臣です。彼の本貫は安東金氏で、号は蓉庵、諡号は忠文です。金炳始は、朋党政治において老論派に属し、当時の政治において重要な役割を果たしました。

早期の経歴

金炳始は1854年に文科に合格し、公務に携わることとなります。その後、彼はさまざまな役職を歴任し、1860年には弘文館校理に就任しました。1869年には従二品に昇進し、1870年には忠清道観察使となります。さらに、1875年には正二品に昇進し、1878年には知三軍府事として任務を遂行しました。また、彼は1879年からは奎章閣提学および戸曹判書を務め、政治的な影響力を強めていきました。

壬午事変とその後

1882年に発生した壬午事変は、金炳始の政治キャリアにおいて重要な転機となります。この事件では、日本人の軍事顧問や公使館員が襲撃を受け、多くが殺害されるという衝撃的な事態が発生しました。金炳始はこの後、統理軍国衙門督弁として事後処理や各国との交渉を担当しました。

彼は1884年7月に全権大使として露朝修好通商条約を結び、外交面での功績を上げました。そして同年11月には右議政に就任し、政局の中心人物となります。

政治的活動と農民軍の蜂起

1885年には、壬午事変における政府側の調査委員として活動しました。さらに、1888年には左議政に就任し、政治的地位を確立しました。1894年には東学党が起こした農民軍の蜂起があり、彼はこの時期にも政治に深く関与していました。

6月20日には領議政に就任しますが、同月内に辞任しました。

明成皇后殺害事件と政局の変化

1895年、明成皇后の殺害事件が発生し、朝鮮の政局は激変します。金炳始は1896年の初めに特進官として功績を挙げ、また内閣総理大臣も短期間ですが務めました。これは彼の政職における頂点の一つといえるでしょう。

その後、彼は議政府議政としても活動を続け、1897年に大韓帝国の成立と国名改称の際にも影響を持ったとされています。

最後の活動と死

金炳始の政治活動は1898年まで続き、同年7月21日から8月12日まで議政府議政として務めましたが、彼の死去によってその生涯を閉じました。彼の業績や歴史的背景は、今なお多くの歴史書や資料で評価されています。

金炳始は、李氏朝鮮の末期における重要な文臣の一人として、時代の波に翻弄されながらも自身の信念に基づいた政治活動を行った人物として、歴史に名を刻んでいます。

もう一度検索