成山 明(なるやま あきら)
成山明は、
1931年11月27日に
兵庫県津名郡由良町(現在の
洲本市)で生まれた
大相撲力士であり、本名でも知られています。彼は
小野川部屋に所属し、一時は西
小結という地位にまで昇進しました。成山は176cm、110kgと、
力士として必要不可欠な体格を持ち合わせており、得意な技は左四つと寄りでした。
来歴
成山という名前は、彼の故郷にある成ヶ島の山から取られたものですが、彼自身はその名に恥じぬよう努力を重ねてきました。
1945年の敗戦の際に少年航空兵を志願しましたが、その夢は実現しませんでした。家業の漁業を手伝っていたところ、父親の薦めで、いとこである元
前頭2・錦華山の小野川親方に導かれ、
小野川部屋に入門しました。彼は
1948年10月の場所で
初土俵を踏み、
初土俵の際にも目覚ましい成績を収めました。
初土俵で好成績を残したため、翌場所からは
序ノ口を飛び越えて
序二段に進出します。最初は
小野川部屋にちなんだ「小野若」という
四股名で活動していましたが、1951年からは成山明として有名になりました。
しかし、彼の名前を人々にきちんと印象付けるには、さらなる努力が必要でした。
1953年1月には遂に
十両に昇進し、瞬く間に9連勝という新記録を打ち立てた後、
1953年9月の場所では新入幕を果たします。ここでも彼は好成績を残し、技能賞を受賞しました。
1956年には
小結に昇進し、史上初の本名での
三役力士となります。しかし、その場所では成績が振るわず、結局この一度だけの
三役経験となりました。成山は、左差し右
おっつけのスタイルで序盤に上位
力士を次々と倒し、「成山旋風」と呼ばれる現象を巻き起こします。彼の風貌やスタイルは観客からも高く評価されましたが、私生活では
糖尿病を抱えていたため、試合を終える頃には体力が持たないことが多々ありました。
現役引退後
1962年5月に現役を引退した成山は、東京都千代田区
九段で料亭を経営しました。彼の人生は、
1978年5月8日に
心筋梗塞により幕を閉じました。享年46歳。興味深いことに、息子の明秀は彼の死去した日に
序ノ口の土俵に初上がりを果たしましたが、最終的には
幕下2枚目での活躍に留まりました。
彼らの親子関係は、相撲部界において注目を集めましたが、残念ながら親子での
関取昇進は実現しませんでした。現在、明秀は東京都で相撲料理店を経営しています。
成績と記録
成山の通算成績は454勝433敗で勝率0.512でした。
幕内での成績は261勝294敗で、61場所にわたり現役を続けました。彼は3つの
三賞を受賞し、殊勲賞も1回、技能賞を3回獲得しています。特定の
力士に勝利することも多く、東富士や鏡里、吉葉山、若乃花からも金星を獲得しました。
彼の
四股名は小野若から成山へと変遷していき、その後は名前を変えて活動し続けました。
大相撲の歴史の中でも重要な存在の一人として、名を残した
力士と言えるでしょう。