間ノ岳

間ノ岳（あいのだけ）

間ノ岳は、赤石山脈（南アルプス）北部に位置する標高3,190mの山で、飛騨山脈の奥穂高岳と並び、日本で3番目に高い山として知られています。深田久弥の「日本百名山」にも選定されており、山頂は山梨県と静岡県にまたがっています。南北に伸びる縦走路は約3kmにわたり、標高3000mを超えることから「日本一の標高3000mの縦走路」とも呼ばれています。

概要

間ノ岳は、南アルプスの最高峰である北岳の南約3.3kmに位置し、さらに南の農鳥岳と合わせて白峰三山を形成しています。その名の由来は、白峰三山の中央に位置することによります。かつては、農鳥岳に残雪が白い鳥に見えることから名付けられたとされていましたが、間ノ岳にも雪解け後の地肌が黒い小鳥に見えることから、どちらが農鳥岳であるかの論争がありました。しかし、最終的に現在の山名で落ち着きました。

2014年4月1日には、国土地理院が最新の衛星測位システム（GNSS測量）に基づき標高を改定し、奥穂高岳と並んで日本で3番目の高峰となりました。南アルプスでは北岳に次ぐ標高を誇り、日本百名山および山梨百名山にも選ばれています。山頂の東側には、細沢カール（圏谷）が広がっています。

白峰三山は高山植物が豊富ですが、間ノ岳の山頂付近は岩屑帯であり、植物は比較的少ないです。また、山頂付近には地すべりによってできたと考えられる線状の凹地が発達しており、この地すべりが起こる前は、現在よりも数十メートル程度標高が高かったのではないかと考えられています。そのため、最終氷期には日本最高峰であった可能性も指摘されています。当時、富士[[山]]はまだ現在の高さに達しておらず、2位の北岳との標高差がわずか4m弱しかないため、このような推測がなされています。

行政区域としては、山梨県と静岡県の境に位置しており、山頂の南側は静岡県の最北端となっています。

歴史

1814年（文化11年） - 「甲斐国志」に山名が掲載される。
1904年（明治37年） - ウォルター・ウェストンが日本を再訪し、北岳、鳳凰山、仙丈ヶ岳とともに登頂。
1908年（明治41年）7月26日 - 小島烏水らが白峰三山を南側から縦走して登頂。
1925年（大正14年）3月22日 - 京都三高山岳部の西堀栄三郎ら4人が積雪期初登頂。
1928年（昭和3年）1月4日 - 慶應義塾大学山岳部の国文貫一ら4人が厳冬期初登頂。
1964年（昭和39年）6月1日 - 南アルプス国立公園に指定される。
2007年（平成19年）9月 - 破損、転倒していた三角点が復旧。

登山

麓から直接山頂に立つ登山道がないため、間ノ岳のみを単独で登ることは少なく、白峰三山や南アルプスを縦走する際に登られることが多いです。

登山ルート

白峰三山縦走ルート - 広河原から北岳方面、または奈良田温泉から農鳥岳への登山道を利用し、白峰三山を縦走するルート。
三峰岳からのルート - 南アルプス縦走時に、仙塩尾根の三峰岳から立ち寄るルート。
積雪期のルート - 積雪期には、北岳の池山吊尾根、間ノ岳の稜線から東に伸びる尾無尾根や弘法小屋尾根が利用されます。また、細沢カールは滑降の対象となります。

山小屋

周辺の白峰三山には、複数の山小屋とキャンプ指定地があります。営業期間外には、一部が冬期避難小屋として開放されることがあります。北岳山荘では、南アルプス唯一の夏山診療所が期間限定で開設されています。

地理

間ノ岳は、南アルプスの主稜線上にある三峰岳から東に0.9kmの位置にあります。北側には北岳方面へ標高3,000mを超える尾根が延び、南方には農鳥岳を経て白峰南嶺が長く続いています。

源流の河川

以下の河川が間ノ岳を源流とし、太平洋へと流れています。

荒川（早川の支流）
大井川東俣（大井川の支流）

関連画像

[間ノ岳の山頂]

[間ノ岳からの眺望]

[間ノ岳の風景]

脚注

注釈

出典

関連項目

南アルプス国立公園
日本の山一覧 (高さ順)（第4位）
* 日本の山一覧 (3000m峰)

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