阮

阮姓の概要

阮（げん）は、漢姓の一つであり、中華圏、ベトナム、朝鮮において幅広く見られる姓です。本項では、主に中国、ベトナム、朝鮮における阮姓の歴史や著名な人物についてまとめます。

中国における阮姓

阮という姓は、中華圏の姓の一つであり、『百家姓』においては130番目に位置付けられています。2020年の中国での統計によると、阮姓は上位100姓には入っていないものの、台湾では2018年のデータによれば、62番目に多い姓で、約44,826人がこの姓を持っています。

発音の特徴

普通話においては「Ruǎn（ルアン）」と発音されますが、この発音が歴史的に異例である理由については解明されていません。また、『中原音韻』では「遠」と同音の「ユアン」とされているため、地域によって発音が異なる可能性があります。

著名な人物

阮姓を持つ著名な歴史的人物には、以下のような人物がいます。

• - 阮瑀：後漢の文学者で、建安七子の一人です。
• - 阮籍：三国時代の魏の詩人で、竹林の七賢の指導的存在として知られています。
• - 阮咸：同じく竹林の七賢の一人であり、楽器「阮咸」の名は彼が愛用していたことに由来します。
• - 阮元：清代の官僚及び学者です。
• - 阮小儀（本名：阮佩儀）：香港の有名なDJとして知られています。

ベトナムにおける阮姓

ベトナムでは、阮（グエン、Nguyễn）は、国内で最も多い姓とされ、数多くの著名人がこの姓を持っています。ベトナム語では「Nguyễn」と綴られ、国際的には「ニューエン」や「ニュイエン」と発音されることがあります。

歴史的背景

阮姓は10世紀末の丁朝の筏大臣・阮匐にその名を見出し、後黎朝の建国の功臣である阮廌、さらには阮文郎など、多くの貴族がこの姓に名を残しています。阮文郎の曾孫である阮潢は、内乱により南部で半独立の広南国を築き、後に西山阮氏や阮朝といった王朝の建設に寄与しました。阮朝は20世紀前半までその地位を維持しました。

著名な人物

以下に、ベトナムにおける著名な阮姓の人物を挙げます。

• - ホー・チ・ミン：ベトナム民主共和国の初代国家主席。
• - グエン・タイ・ホック：ベトナム国民党の初代党首。
• - グエン・ヴァン・リン：ベトナム共産党中央総書記。

朝鮮における阮姓

朝鮮でも阮（ウォン、ワン）は姓の一つとして存在し、2015年の韓国の国勢調査では、人口が51人とされています。中でも「ウォン」は45人、「ワン」は6人となっています。氏族に関しては、六人の漢陽阮氏が存在するのみで、その他の45人の本貫は確認されていません。

まとめ

阮姓は中華圏、ベトナム、そして朝鮮において広く分布しており、それぞれの地域で文化や歴史に根ざした重要な姓であることがわかります。著名な思想家や政治家、学者など多くの人物がこの姓を持っており、地域の歴史においても重要な役割を果たしてきました。このような背景から、阮姓は非常に興味深い文化的側面を持つ姓の一つであると言えるでしょう。

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