露蒙国境

露蒙国境について

露蒙国境は、ロシアとモンゴルとの間に位置する国境で、その全長は3,452キロメートルに及びます。この国境は、東西の両端で中華人民共和国との三国国境を形成しているのが特徴です。ロシアにとっては、カザフスタン、中国に次いで3番目に長い国境線となっています。

歴史的背景

1922年から1991年まで、ロシアはソビエト連邦の一部でした。そのため、この期間は「ソ蒙国境」とも呼ばれます。しかし、ソ連を構成する共和国の中でモンゴルと直接国境を接していたのはロシア・ソビエト連邦社会主義共和国のみであり、歴史的な連続性を考慮して、本記事では一貫して「露蒙国境」の名称を使用します。

国境線の概要

露蒙国境は、西の中国との三国国境から始まり、アルタイ山脈を通り、ウヴス湖近くまで北東方向に進みます。ウヴス湖の北東部分はロシア領となっており、そこから東、南東へと進路を変え、トレ＝ホリ湖を横切ります。その後、国境線はウランタイガ山脈に沿って北上し、フブスグル湖を中心にサヤン山脈を通って大きく弧を描きます。バイカル湖の南を東に進み、ロシアのバルン-トーレー湖の南を通って、東の中国との三国国境に至ります。

三国国境

露蒙国境の東西両端は、中国との三国国境です。これらの位置は、1994年1月27日にウランバートルで調印された三国間協定によって規定されました。

東の三国国境はタルバガン・ダフと呼ばれる地点に国境標識が建てられており、その座標は北緯49度50分42.3秒、東経116度42分46.8秒と定められています。

一方、西の三国国境はタワン・ボグド峰（奎屯山）の山頂に位置しますが、雪に覆われアクセスが困難なため、国境標識は設置されていません。

歴史

ロシア帝国が17世紀にシベリアへ進出したことで、当時モンゴルを支配していた清国との間に緊張が生じました。現在のモンゴルは、当時「外蒙古」と呼ばれ、中国の内蒙古と区別されていました。

現在の露蒙国境の大部分は、1727年のキャフタ条約によって定められましたが、トゥヴァは清側に残されました。その後、1881年のイリ条約で国境線が確定しました。

1911年の辛亥革命で清朝が崩壊すると、モンゴルの民族主義者がロシアの支援を受け独立を宣言しました。ロシアはトゥヴァを併合し、現在の露蒙国境が形成されました。

1915年の第二次キャフタ条約で、ロシアはモンゴルに対する中国の宗主権を認めましたが、この地域への影響力を維持し続けました。1917年のロシア革命後、中国はモンゴルへの支配を再主張しましたが、モンゴル軍とソ連軍によって撃退されました。

1921年にモンゴルは再び独立を宣言し、1924年にはモンゴル人民共和国が成立しましたが、中国による承認は1946年までずれ込みました。

トゥヴァは1921年に独立しましたが、1944年にソ連に併合され、モンゴルとの国境はソ連との国境の一部となりました。この国境線はソ連崩壊後も、露蒙国境として存続しています。

国境交通路

露蒙国境には10箇所の公式な国境通過点があります。このうち2箇所は鉄道ですが、旅客の利用があるのはナウシキ駅とスフバートル駅間のモンゴル縦貫鉄道のみです。

道路による通過点のうち、タシャンタ-ツァガーンノール、キャフタ-アルタンブラグ、ソロビョフスク-エレンツァフの3箇所は、全ての国籍の人が利用可能です。残りの5箇所は、ロシアとモンゴルの国民のみが利用できます。

国境侵犯

2005年の報告によれば、露蒙国境、特にトゥヴァ共和国の区間では、家畜の盗難や食肉の密輸が問題となっていました。

国境に接する行政区画

ロシア側では、アルタイ共和国、トゥヴァ共和国、ブリヤート共和国、ザバイカリエ地方が国境に接しています。

モンゴル側では、8つのアイマク（行政区画）が国境に接しています。

参考文献

Wikipedia

関連項目

露蒙関係

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