飛鳥井雅道

飛鳥井雅道

飛鳥井雅道（1934年11月26日 - 2000年8月31日）は、日本の歴史学者。京都大学名誉教授であり、日本近代史・文化史を専門としていました。

経歴

1934年：伯爵飛鳥井雅信の長男として東京都渋谷区に生まれる。
1950年：京都師範学校附属京都中学校（現：京都教育大学附属京都小中学校）卒業。
1953年：京都府立朱雀高等学校卒業。
1957年：京都大学文学部文学科（仏語仏文学専攻）卒業。
1958年：京都大学大学院文学研究科修士課程中退。京都大学人文科学研究所助手となる。
1970年：京都大学人文科学研究所助教授に就任。
1981年：同教授に昇任。
1987年 - 1990年：国立歴史民俗博物館展示プロジェクト委員を務める。
1987年 - 1991年：国立国際日本文化研究センター運営協議員を務める。
1998年：京都大学人文科学研究所を定年退職、名誉教授となる。
2000年：京都にて逝去。

研究内容と業績

飛鳥井雅道は、日本近代史、特に思想史・文化史の分野で多大な業績を残しました。幸徳秋水、坂本龍馬、明治天皇など、近代日本の重要な人物や事件をテーマにした著作を数多く発表し、日本近代精神史の研究に大きく貢献しました。

著書からは、近代日本の社会主義運動、文明開化、天皇制などに関する考察を知ることができ、多角的な視点から近代日本を捉えようとした姿勢がうかがえます。

著書一覧

単著

『幸徳秋水 直接行動論の源流』（中公新書、1969年）
『近代文化と社会主義』（晶文社、1970年）
『日本近代の出発』（塙書房、1973年）
『坂本竜馬』（平凡社選書、1975年）
『坂本龍馬』（福武文庫、1992年／講談社学術文庫、2002年）
『新書日本史7　近代の潮流』（講談社現代新書、1976年）
『鴎外その青春　季刊論叢日本文化』（角川書店、1976年）
『日本を創った人びと24　西郷隆盛－維新回天と士族共和の悲劇』（平凡社、1978年）
『日本プロレタリア文学史論』（八木書店：近代文学研究双書、1982年）
『文明開化』（岩波新書、1985年）
『明治大帝』（筑摩書房〈ちくまライブラリー〉、1989年）
『天皇と近代日本精神史』（三一書房、1989年）
『鹿鳴館』（岩波書店：岩波ブックレット、1992年）
『中江兆民』（吉川弘文館〈人物叢書〉、1999年）
『日本近代精神史の研究』（京都大学学術出版会、2002年）

共著・翻訳

『近代愛媛の開化』（愛媛県文化振興財団、1986年）
フレッド・G・ノートヘルファー『アメリカのサムライ L・L・ジェーンズ大尉と日本』法政大学出版局：叢書ウニベルシタス、1991年

編・解説

『近代日本思想大系13　幸徳秋水集』（筑摩書房、1975年）
『大杉栄 自叙伝・日本脱出記』（岩波文庫、1983年）
『国民文化の形成』（筑摩書房、1984年）
『大杉栄評論集』（岩波文庫、1996年）

家族

飛鳥井家は、藤原氏を祖とする公家で、和歌と蹴鞠を家職としていました。弟の飛鳥井雅慶は橿原神宮の宮司を務め、長男の飛鳥井雅友はドイツ文学者として活躍しています。

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