高向大足

高向 大足（たかむく の おおたり）

高向大足は、飛鳥時代から奈良時代にかけての日本の貴族です。彼の父は摂津大夫を務めた高向麻呂であり、その影響を受けて育ったと考えられています。具体的な生没年は不明ですが、彼は従五位上・民部少輔という官位を持っていました。

経歴の概要

大足は、文武天皇の治世である大宝2年（702年）に北陸地方へ出向き、越中国と越後国の国境を改定しました。この際、神済川（現在の境川）を国境とし、地域に鎮護の神を祀るために脇子八幡を越中国城山（現在の富山県下新川郡朝日町）に設立しました。この神社は、地元の人々にとって重要な信仰の対象となりました。

また、大宝3年（703年）には、北陸道の巡察使として派遣されました。この時の彼の位階は従七位上でした。その後、和銅7年（714年）には春日倉老や息長臣足、大伴山守などの仲間と共に正六位下から従五位下に昇進しました。この頃の彼は、中央政府の重要な役割を果たしていたことが伺えます。

元正天皇の霊亀2年（716年）、彼は下総守に任命され、続いて養老4年（720年）には民部少輔に就任しました。さらに、神亀元年（724年）の聖武天皇の即位に伴い、従五位上への昇叙を受けるなど、彼の出世は目覚ましいものでした。

官位の推移

以下は、高向大足の官歴を示す概略です。

• - 時期不詳：従七位上
• - 大宝3年（703年）正月2日：北陸道巡察使
• - 時期不詳：正六位下
• - 和銅7年（714年）正月5日：従五位下
• - 霊亀2年（716年）4月27日：下総守
• - 養老4年（720年）10月9日：民部少輔
• - 神亀元年（724年）2月22日：従五位上

系譜

高向大足の家系については、父親が高向麻呂で、母親については詳細が不明です。彼には次のような子供たちがいました。

• - 高向諸足（男子）
• - 高向国人（男子）
• - 高向宿奈万呂（男子）

参考文献

• - 『続日本紀 1 新日本古典文学大系 12』岩波書店、1989年
• - 『続日本紀 2 新日本古典文学大系 13』岩波書店、1990年
• - 宇治谷孟『続日本紀 全現代語訳（上）』講談社学術文庫、1992年
• - 宝賀寿男『古代氏族系譜集成』古代氏族研究会、1986年

高向大足の長い歴史にわたる貢献は、当時の政治や文化において重要な役割を果たし、彼の名は歴史に刻まれています。

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