鶴ヶ城 (美濃国)

鶴ヶ城の歴史と変遷

鶴ヶ城（つるがじょう）は、現在の岐阜県瑞浪市土岐町鶴城に位置していた日本の城です。別名として、一日市場館、神戸(ごおど)館、神篦(こおの)城、高野(こおの)城、神野(こおの)城、国府(こおの)城、土岐城とも呼ばれ、その歴史は鎌倉時代にまで遡ります。この城は、岐阜県の指定史跡としても登録されています。

鎌倉時代：土岐氏の興隆

1189年、源頼朝によって美濃国守護に任じられた源国房の四代子孫・光衡が、土岐光衡と名乗り、この地に神戸館（一日市場館）を築いたとされています。この光衡が土岐氏の祖となり、この地は土岐氏発祥の地とされています。

1221年の承久の乱では、光衡の子である土岐光行が幕府方についた一方、土岐光時が上皇方についたと推測されています。その後も、光行の孫・土岐頼貞の時代まで、一日市場館は土岐氏の本拠地として機能しました。また、1324年の正中の変の直前には、日野資朝が土岐館（一日市場館）を訪れています。

室町時代：土岐氏から遠山氏へ

1339年、土岐頼遠が父の死により土岐氏の惣領となり、美濃守護に就任しました。しかし、同年中に本拠地を鶴ヶ城から厚見郡に移し、長森城を守護所としました。その後、鶴ヶ城は恵那郡の遠山氏の城の一つとなり、神野遠山氏が入城しました。戦国時代末期には、延友信光（遠山佐渡守）が城主となりました。

戦国時代：織田信長の来城

1575年、織田信長が明知城救援のため、鶴ヶ城に一時的に入城しました。

江戸時代：十三河原の戦いと廃城

1600年の関ヶ原の戦いの前哨戦である東濃の戦いでは、東軍の小里光親らが、西軍の拠点となっていた鶴ヶ城を攻めました。その際、土岐川の「十三河原」が戦場となり、小里一族の和田太郎左衛門など多くの戦死者を出しました。瑞浪市には、この戦いの犠牲者を弔う五輪塔が残っています。

その後、遠山利景・方景父子や小里光親らが明知城を奪還し、小里城、鶴ヶ城も次々と落城させました。10月10日には岩村城も開城し、戦いが終結。鶴ヶ城はその後、廃城となりました。

鶴ヶ城の構造と遺構

鶴ヶ城は山城であり、現在でも曲輪、土塁、堀切などの遺構を見ることができます。

歴代城主

鶴ヶ城は、土岐氏とその一族、遠山氏とその一族、織田氏家臣、森氏家臣など、様々な勢力の支配下に置かれてきました。主な城主としては、以下のような人物が挙げられます。

土岐氏
土岐光衡：土岐氏の祖。
土岐光行：光衡の子。
土岐光定：光行の子。
土岐頼貞：光定の子。
土岐頼兼：頼貞の子。
遠山氏
遠山神野小太郎：長享・延徳の乱で活躍。
土岐房忠(三兵衛信友)：天文年間。
延友信光：織田家に属し、岩村城の秋山信友と対峙。
織田氏家臣
河尻秀隆：織田家の重臣。
森氏家臣
関武兵衛：森可政の娘婿。
林為忠：関武兵衛の代わりを務めた城代。

関連史跡

鶴ヶ城の周辺には、土岐氏関連の城や館として、大富館、浅野館、長森城、川手城などがあります。

参考文献

鶴ヶ城に関する詳しい情報は、以下の文献で確認することができます。

『瑞浪市史　歴史編』
『ふるさとの歴史 : 郷土学習のための各町概史 (瑞浪市郷土史シリーズ ; その1)』
『土岐市史 第1巻』
『岐阜市史 通史編』
『美濃・土岐一族』


これらの資料を通して、鶴ヶ城の歴史や背景についてより深く理解することができます。

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