鷲羽山佳和

鷲羽山佳和

鷲羽山佳和（わしゅうやま よしかず、1949年4月2日生まれ）は、岡山県児島市出身の元大相撲力士です。彼は出羽海部屋に所属し、最高位は東関脇でした。身長175cm、体重112kgと小柄でしたが、突っ張りや押し、いなしといった多彩な技を駆使して、土俵で存在感を示しました。彼の本名は石田佳員（いしだ よしかず）で、旧姓は鈴木です。

来歴

鷲羽山は岡山県立琴浦高等学校を中退し、1967年3月場所で初土俵を踏みました。師匠の兄が属していた出羽海部屋で、彼は入門の際に四股名に困り、初代常ノ山との関係があったため、その若名乗りである「鷲羽山」を与えられました。入門時は身長173cmで、入門規定にギリギリ合格を果たし、小さな体格ながら相撲界でしっかりと活躍しました。

1972年7月には十両に昇進するも、初土俵での負傷により新十両の場所を全休。その際、初めて適用された公傷制度に助けられ、幕下に陥落することは免れました。1973年5月場所では、さらなる飛躍を見せ、初日から8連勝を達成し、大関・清國を破るという輝かしい成績を残しました。

1977年7月場所では、彼だけが技能賞を受賞するという珍しい状況もありました。小柄ながら正攻法の相撲を貫き、突っ張りや押し、いなしといった技で観客を魅了しました。彼は「ちびっ子ギャング」とも称され、旭國や北瀬海などと共に小兵力士の旋風を巻き起こし、人気を博しました。

引退後の活動

1985年11月に現役を引退した後は、年寄・境川を名乗り、出羽海部屋の師匠として後進の指導に当たりました。1996年からは出羽海部屋を継承し、出羽海の名跡を受け継ぎました。彼は2002年には相撲協会理事にも就任し、弟子たちを育成する傍ら、相撲界の発展に寄与しました。

彼の弟子には小結・普天王や十両・出羽鳳などがいます。自身の定年退職後にも出羽疾風が十両に昇進するなど、多くの成績を残しました。

2010年には、横綱・朝青龍が暴力行為により引責引退した際に、外国出身力士の品格について意見を述べるなど、厳格な姿勢を見せました。2014年4月に停年を迎えると共に名跡を交換し、名古屋にて高崎を名乗りました。

人物と業績

鷲羽山は非常に表現力豊かな言葉を使う力士であり、数々の名言を残しています。彼の四股名の由来である鷲羽山は、彼の実家の近くにあり、初めは「平凡すぎる」と感じていた日々もありましたが、選手活動を通じて自信を持つようになったようです。

他にも、新年の歌合戦などにも積極的に参加し、演歌を得意とする歌唱力を誇りました。相撲茶屋の女将に養子になり、鈴木姓を改めた彼は、相撲界への貢献を惜しまず、若い力士達の指導や成長をサポートしてきました。

主な成績

通算成績は699勝646敗、幕内成績319勝353敗、現役在位112場所という輝かしい記録を持ち、三役在位は5場所、三賞は8回受賞しています。また、十両でも3回の優勝を果たしました。

出羽海部屋の伝統や精神を引き継ぎながら、相撲界に大いに貢献した鷲羽山佳和は、まさに現代の相撲界で活躍した名力士の一人として語り継がれています。

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