黒田治高

黒田治高（くろだ はるたか）

黒田治高は、江戸時代中期の大名で、筑前国福岡藩の第8代藩主を務めました。

生涯

宝暦4年（1754年）に、讃岐国多度津藩主である京極高慶の七男として丸亀城で誕生しました。母は高慶の側室である誓寿院（林代右衛門の娘）です。幼名は又八。初めは京極家の通字である「高」の字を用いて京極高幸と名乗っていましたが、黒田家に入ってから治高と改名しました。

天明元年（1781年）11月、福岡藩主・黒田治之の末期養子となり、翌天明2年（1782年）2月2日に家督を相続しました。同年2月18日には将軍・徳川家治に御目見えし、同年3月7日には従四位下・侍従・筑前守に叙任。養父・治之と同様に、家治から偏諱を受け治高と名乗りました。同年3月15日には初めてのお国入りの許可を得て、同年5月に福岡へ入り、領内の巡見や山笠見物などを行いました。

しかし、福岡入りから間もなく体調を崩し、同年8月21日に福岡城で死去しました。享年29歳。幕府には10月24日に死亡と届けられました。後継者には、生前に仮養子として指名していた一橋徳川家当主・徳川治済（養父・黒田治之の兄）の三男・雅之助（後の黒田斉隆）を末期養子に迎えました。

これにより、京極家から黒田家へ入った藩主は治高一代限りとなりました。

黒田家と京極家の関係

先代藩主・黒田治之には実子がなかったため、黒田家と同族である京極家から養子を迎えることになりました。黒田家側では、治高を3代藩主・黒田光之の娘である筑姫（酒井忠挙の正室）の子孫として養子に迎えたとされていますが、京極家の記録では実際には血縁関係はないとされています。

丸亀藩主・京極高豊の継室である市子は筑姫の娘で、嫡男・京極高或をもうけましたが、多度津家初代で治高の実祖父にあたる京極高通は、高豊が側室との間に設けた庶子です。また、治高の実父である京極高慶の正室は久留里藩主・黒田直純の娘ですが、こちらの黒田家は福岡藩黒田家とは別系統であり、かつ治高は正室の子ではありません。

系譜

父：京極高慶
母：誓寿院 - 林代右衛門の娘
養父：黒田治之
正室：無
養子：黒田斉隆 - 徳川治済の三男

脚注

出典

参考文献

* 藩主人名事典編纂委員会（編）『三百藩藩主人名事典　第四巻』新人物往来社、1986年6月10日。ISBN 4-404-01350-7。

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