1884年の相撲

1884年の相撲界

1884年（明治17年）は、相撲界にとって様々な出来事があった年です。この年、明治天皇による天覧相撲が開催され、相撲の人気をさらに高める出来事がありました。また、各地で興行が盛んに行われ、多くの観客を魅了しました。一方で、後の相撲界を担う力士たちが誕生し、また長年相撲界を支えた人物が亡くなるなど、歴史の転換期ともいえる年でした。

天覧相撲

3月10日、芝浜離宮において明治天皇による天覧相撲が執り行われました。これは、相撲が日本の国技として認知される上で重要な出来事であり、相撲の地位を向上させる大きなきっかけとなりました。

興行

1884年には、各地で相撲の興行が盛んに行われました。東京相撲では、1月場所と5月場所が本所回向院で開催され、それぞれ晴天10日間興行として行われました。また、大阪相撲では9月場所に難波新地新金毘羅神宮で晴天10日間興行が開催されました。11月には京都で三都合併相撲が行われました。

1月場所（東京相撲）
興行場所: 本所回向院
1月4日より晴天10日間興行
5月場所（東京相撲）
興行場所: 本所回向院
晴天10日間興行
9月場所（大阪相撲）
興行場所: 難波新地新金毘羅神宮
晴天10日間興行
11月場所（三都合併相撲）
興行場所: 京都

誕生

この年、後の相撲界で活躍する多くの力士たちが誕生しました。

1月1日 - 小ノヶ嵜金藏（最高位：前頭5枚目、所属：熊ヶ谷部屋）
1月20日 - 竜ヶ嵜枩太郎（最高位：小結、所属：阿武松部屋→出羽ノ海部屋）
1月21日 - 千年川亀之助（最高位：小結、所属：立田山部屋）
2月3日 - 加古川辰藏（最高位：大関（大阪相撲）、所属：小野川部屋）
2月4日 - 佐賀ノ海初太郎（最高位：前頭6枚目、所属：出羽ノ海部屋）
8月3日 - 八甲山純司（最高位：前頭4枚目、所属：若松部屋→湊川部屋→高嶋部屋）
10月25日 - 白梅文治郎（最高位：張出前頭（18枚目格）、所属：白玉部屋→峰崎部屋）
11月1日 - 五十嵐敬之助（最高位：前頭4枚目、所属：勝ノ浦部屋）

死去

1884年には、相撲界を長年支えた人物が亡くなりました。

8月14日 - 14代木村庄之助（立行司、現役没）
11月16日 - 雷電震右エ門（最高位：大関、所属：阿武松部屋→千賀ノ浦部屋、年寄：阿武松）

まとめ

1884年は、相撲界にとって大きな変革の年でした。天覧相撲の開催や各地での興行の隆盛、未来の相撲界を担う力士たちの誕生、そして長年相撲界を支えた人物の死など、様々な出来事が重なり、相撲史における重要な一年となりました。

参考資料

酒井忠正『日本相撲史 中巻』ベースボール・マガジン社、1964年6月1日。

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