1979年の日本
1979年（昭和54年）は、西暦の他に皇紀2639年、干支では己未にあたる年でした。この年は、政治の混乱、社会の変革、そして文化や技術の進化が交錯する特異な一年として日本の歴史に刻まれています。
政治面では、大平正芳内閣のもとで重要な局面を迎えました。9月の衆議院解散後の総選挙で自由民主党が過半数を割り込み、それに伴う党内対立が「四十日抗争」と呼ばれる激しい権力闘争へと発展しました。また、長年の議論を経て、6月には「元号法」が公布・即日施行され、元号が法的に位置づけられるという大きな制度変更がありました。
社会的な出来事としては、1月に初の国公立大学共通一次試験が実施され、大学入試制度に新たな歴史が刻まれました。この試験は、その後の大学入試のあり方に大きな影響を与えることになります。司法分野では、財田川事件で再審開始が決定するなど、過去の事件の再検証が進みました。交通インフラでは、上越新幹線の大清水トンネルが貫通し、当時の世界最長トンネルとして注目を集めました。一方で、7月には東名高速道路の日本坂トンネルで多重衝突・車両火災が発生し、多数の死傷者と車両焼失という痛ましい事故が起きています。
この年は、私たちの生活に密接に関わる技術や製品が数多く登場しました。2月には日本初の電子体温計やカプセルホテルが登場し、利便性や都市空間の利用に新たな提案がなされました。5月には日本電気（NEC）がパーソナルコンピュータ「PC-8001」を発表、後のパソコン普及への布石となりました。そして何と言っても特筆すべきは、7月にソニーが発売した携帯型ステレオプレーヤー「ウォークマン」でしょう。音楽を屋外で、個人的に楽しむというスタイルを確立し、その後の音楽文化に革命的な影響を与えました。自動車分野では、鈴木自動車工業から低価格軽自動車「アルト」が発売され、大きな人気を集めました。交通網としては、本州四国連絡橋の第一号となる大三島橋が開通し、地域間の結びつきを強化しました。通信分野では、12月に日本電信電話公社が東京23区で自動車電話サービスを開始しました。国鉄のリニアモーターカーは宮崎実験線で時速504キロを達成し、鉄道技術の進化を示しました。
文化面では、多彩な作品が生まれました。出版界では芥川賞や直木賞の発表があり、加賀乙彦の『宣告』などがベストセラーとなりました。
音楽シーンでは、演歌、ニューミュージック、ポップス、ロックなど多様なジャンルの楽曲がヒットしました。渥美二郎「夢追い酒」、ジュディ・オング「魅せられて」、さだまさし「関白宣言」、西城秀樹「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」、ゴダイゴ「銀河鉄道999」、サザンオールスターズ「いとしのエリー」などがこの年の流行を彩りました。クイーン、イーグルス、ボブ・マーリーといった海外の大物アーティストの来日公演も話題となりました。
映画界では、『ルパン三世 カリオストロの城|ルパン三世_カリオストロの城』（宮崎駿初監督長編作品）、『銀河鉄道999』などが公開されました。また、この年から一般映画の制限付が導入されました。
テレビも多くの新番組が登場し、視聴者に親しまれました。『ズームイン!!朝!』、『クイズ100人に聞きました』といった人気番組が始まりました。ドラマでは、後のシリーズ化につながる『西部警察』や『3年B組金八先生』が放送を開始。アニメ界では、国民的アニメとなる『ドラえもん』（第2作1期）や、ロボットアニメに革新をもたらした『機動戦士ガンダム』が放送を開始し、アニメ史における重要な一年となりました。
スポーツ界では、特にプロ野球と高校野球が大きな盛り上がりを見せました。プロ野球では「江川事件」が球界を揺るがす一方、広島東洋カープがセ・リーグを、近鉄バファローズがパ・リーグを制しました。日本シリーズでは、広島が近鉄を下し、球団創設30年目にして初の日本一に輝きました。最終第7戦、広島・江夏豊投手の「江夏の21球」は伝説として語り継がれています。
高校野球では、和歌山県の箕島高校が春夏の甲子園を連覇し、史上3校目の快挙を達成しました。夏の選手権大会3回戦の箕島対星稜高校戦は、延長18回の激闘となり、高校野球史に残る名勝負として記憶されています。
その他の出来事としては、上野動物園のジャイアントパンダ「ランラン」が亡くなったことが多くの人々に惜しまれました。また、千葉県君津市の神野寺からトラ3頭が脱走するという珍しい事件も発生しました。自然災害では、長野県の木曽御嶽山が噴火しました。歴史的な発見としては、奈良市で『古事記』の編者、太安万侶の墓誌が出土しました。
この年に生まれた著名人には、堂本光一、堂本剛（KinKi Kids）、高島彩（元フジテレビアナウンサー）、森田剛（V6）、上原ひろみ（ジャズピアニスト）、小笠原満男（サッカー選手）、窪塚洋介（俳優）、能見篤史（プロ野球選手）、釘宮理恵（声優）、国仲涼子（女優）、中田浩二（サッカー選手）、小林麻耶（元TBSアナウンサー）、井川慶（プロ野球選手）、奥菜恵（女優）、押切もえ（ファッションモデル）、ノブ（千鳥）、中越典子（女優）など、多分野で活躍する多くの人物がいます。
このように1979年は、政治、経済、文化、スポーツなど、あらゆる面で活気に満ち、変化の萌芽が見られた、記憶に残る一年と言えるでしょう。
政治・社会の動き
政治面では、大平正芳内閣のもとで重要な局面を迎えました。9月の衆議院解散後の総選挙で自由民主党が過半数を割り込み、それに伴う党内対立が「四十日抗争」と呼ばれる激しい権力闘争へと発展しました。また、長年の議論を経て、6月には「元号法」が公布・即日施行され、元号が法的に位置づけられるという大きな制度変更がありました。
社会的な出来事としては、1月に初の国公立大学共通一次試験が実施され、大学入試制度に新たな歴史が刻まれました。この試験は、その後の大学入試のあり方に大きな影響を与えることになります。司法分野では、財田川事件で再審開始が決定するなど、過去の事件の再検証が進みました。交通インフラでは、上越新幹線の大清水トンネルが貫通し、当時の世界最長トンネルとして注目を集めました。一方で、7月には東名高速道路の日本坂トンネルで多重衝突・車両火災が発生し、多数の死傷者と車両焼失という痛ましい事故が起きています。
技術革新と新しいライフスタイル
この年は、私たちの生活に密接に関わる技術や製品が数多く登場しました。2月には日本初の電子体温計やカプセルホテルが登場し、利便性や都市空間の利用に新たな提案がなされました。5月には日本電気（NEC）がパーソナルコンピュータ「PC-8001」を発表、後のパソコン普及への布石となりました。そして何と言っても特筆すべきは、7月にソニーが発売した携帯型ステレオプレーヤー「ウォークマン」でしょう。音楽を屋外で、個人的に楽しむというスタイルを確立し、その後の音楽文化に革命的な影響を与えました。自動車分野では、鈴木自動車工業から低価格軽自動車「アルト」が発売され、大きな人気を集めました。交通網としては、本州四国連絡橋の第一号となる大三島橋が開通し、地域間の結びつきを強化しました。通信分野では、12月に日本電信電話公社が東京23区で自動車電話サービスを開始しました。国鉄のリニアモーターカーは宮崎実験線で時速504キロを達成し、鉄道技術の進化を示しました。
文化とエンターテインメント
文化面では、多彩な作品が生まれました。出版界では芥川賞や直木賞の発表があり、加賀乙彦の『宣告』などがベストセラーとなりました。
音楽シーンでは、演歌、ニューミュージック、ポップス、ロックなど多様なジャンルの楽曲がヒットしました。渥美二郎「夢追い酒」、ジュディ・オング「魅せられて」、さだまさし「関白宣言」、西城秀樹「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」、ゴダイゴ「銀河鉄道999」、サザンオールスターズ「いとしのエリー」などがこの年の流行を彩りました。クイーン、イーグルス、ボブ・マーリーといった海外の大物アーティストの来日公演も話題となりました。
映画界では、『ルパン三世 カリオストロの城|ルパン三世_カリオストロの城』（宮崎駿初監督長編作品）、『銀河鉄道999』などが公開されました。また、この年から一般映画の制限付が導入されました。
テレビも多くの新番組が登場し、視聴者に親しまれました。『ズームイン!!朝!』、『クイズ100人に聞きました』といった人気番組が始まりました。ドラマでは、後のシリーズ化につながる『西部警察』や『3年B組金八先生』が放送を開始。アニメ界では、国民的アニメとなる『ドラえもん』（第2作1期）や、ロボットアニメに革新をもたらした『機動戦士ガンダム』が放送を開始し、アニメ史における重要な一年となりました。
スポーツの熱戦
スポーツ界では、特にプロ野球と高校野球が大きな盛り上がりを見せました。プロ野球では「江川事件」が球界を揺るがす一方、広島東洋カープがセ・リーグを、近鉄バファローズがパ・リーグを制しました。日本シリーズでは、広島が近鉄を下し、球団創設30年目にして初の日本一に輝きました。最終第7戦、広島・江夏豊投手の「江夏の21球」は伝説として語り継がれています。
高校野球では、和歌山県の箕島高校が春夏の甲子園を連覇し、史上3校目の快挙を達成しました。夏の選手権大会3回戦の箕島対星稜高校戦は、延長18回の激闘となり、高校野球史に残る名勝負として記憶されています。
その他の出来事
その他の出来事としては、上野動物園のジャイアントパンダ「ランラン」が亡くなったことが多くの人々に惜しまれました。また、千葉県君津市の神野寺からトラ3頭が脱走するという珍しい事件も発生しました。自然災害では、長野県の木曽御嶽山が噴火しました。歴史的な発見としては、奈良市で『古事記』の編者、太安万侶の墓誌が出土しました。
この年に生まれた著名人には、堂本光一、堂本剛（KinKi Kids）、高島彩（元フジテレビアナウンサー）、森田剛（V6）、上原ひろみ（ジャズピアニスト）、小笠原満男（サッカー選手）、窪塚洋介（俳優）、能見篤史（プロ野球選手）、釘宮理恵（声優）、国仲涼子（女優）、中田浩二（サッカー選手）、小林麻耶（元TBSアナウンサー）、井川慶（プロ野球選手）、奥菜恵（女優）、押切もえ（ファッションモデル）、ノブ（千鳥）、中越典子（女優）など、多分野で活躍する多くの人物がいます。
このように1979年は、政治、経済、文化、スポーツなど、あらゆる面で活気に満ち、変化の萌芽が見られた、記憶に残る一年と言えるでしょう。
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