AZ

「AZ」というアルファベット二文字の組み合わせは、様々な分野で使われる略称、コード、あるいは固有名詞です。大文字の「AZ」、あるいは「Az」、「az」といった表記揺れを含めて、その意味するところは文脈によって大きく異なります。

国際的な標準コードとして「AZ」が用いられる例がいくつかあります。

国名コード・行政区画コード: 国際標準化機構（ISO）が定めるISO 3166-1 alpha-2では、中央アジアと東ヨーロッパに跨がる国、アゼルバイジャン共和国を示します。また、ISO 3166-2においては、アメリカ合衆国のアリゾナ州（ISO 3166-2:US）や、アラブ首長国連邦を構成する首長国の一つ、アブダビ（ISO 3166-2:AE）を示すコードの一部として用いられています。
言語コード: ISO 639-1では、アゼルバイジャン共和国の公用語であるアゼルバイジャン語を指すコードとして「az」が規定されています。
IATA航空会社コード: 国際航空運送協会（IATA）によって定められる航空会社コードでは、かつてイタリアのフラッグキャリアであったアリタリア-イタリア航空に充当されていましたが、同社破産後は後継会社であるITAエアウェイズに引き継がれています。

企業名、ブランド、製品名などにも「AZ」を含む例があります。

企業名: イギリスに本社を置く大手製薬企業、アストラゼネカ（AstraZeneca）の略称として用いられることがあります。同社は医薬品の開発、製造、販売を手掛けています。
ホテル屋号: アメイズが運営するビジネスホテルチェーンの屋号として、「ホテルAZ」が存在します。全国に展開しており、地域に根差したホテルとして知られています。
自動車関連: トヨタ自動車がかつて製造していた直列4気筒エンジンのシリーズ名に「AZエンジン」があります。また、マツダが1989年から1998年にかけて展開していた販売チャネルおよびブランド名「オートザム」の略称としても使われました。オートザムブランドからは、軽トールワゴンのAZ-ワゴンや、特徴的なガルウィングドアを持つ軽スポーツカーAZ-1といったモデルが発売されています。
コンピュータ製品: 東芝（現：Dynabook株式会社）がかつて製造していたDynabookシリーズの中に、Android OSを搭載したクラウドブックとして「Dynabook AZ」というモデルがありました。

組織や施設、放送局に関連する例もあります。

スポーツクラブ: オランダのエールディヴィジに所属するプロサッカークラブ、AZアルクマールの正式名称の一部です。「アルクマール」は本拠地である北ホラント州アルクマールの地名に由来します。
商業施設: 埼玉県熊谷市にある熊谷駅の駅ビルは「AZ熊谷」という名称です。また、鹿児島県を中心に展開するスーパーセンターには「A-Zスーパーセンター」があります（厳密には「A-Z」ですが関連性が高いです）。
放送局: 日本において、デジタルラジオの実用化試験局として運用されていた東京実用化試験局の呼出符号が「JOAZ-FM」でした。

フィクション作品やインターネットの世界にも「AZ」が登場します。

フィクション: タカラトミー（旧トミー）が展開する玩具シリーズ「ゾイド」において、一部の兵器名に用いられる記号として「AZ」が見られます。
ドメイン名: インターネットにおいて、アゼルバイジャン共和国に割り当てられている国別コードトップレベルドメイン（ccTLD）は「.az」です。

その他、曖昧さ回避のページ「アズ」が存在するほか、AS、A-Z、A2Z、ABC-Z、ZAなど、類似するアルファベットの組み合わせや名称も多数存在します。「AZで始まる記事の一覧」や「Az, azで始まる記事の一覧」といったインデックスも存在し、このアルファベット組み合わせが多岐にわたる事柄に関連していることを示しています。このように、「AZ」は分野や文脈によって全く異なる意味を持つ、非常に多義的な表記と言えます。

もう一度検索