F1100

FOMA F1100は、富士通によって開発されたNTTドコモの第三世代携帯電話、通称FOMA端末です。2008年3月17日に、モトローラM1000の後継モデルとしてHT1100と共に発売されました。この端末は、国際ローミングやタッチペン操作には対応していませんが、無線LAN（IEEE 802.11 a/b/g）、Bluetooth、フルブラウザといった機能は引き続き搭載しています。

特徴的なのは、OSにSymbian OSではなくWindows Mobile 6を採用している点です。ドコモではM1000と同様に個人購入が可能なスマートフォンとして扱われました。FOMAハイスピードに対応したことで、ウェブブラウジングが快適になり、Windows Media Audio形式の音楽ファイルの再生、デジタル著作権管理（DRM）に対応しています。ただし、Napsterなどの有料音楽配信サイトは利用できません。MP3やAAC形式の音楽ファイルも再生可能で、バックグラウンド再生にも対応しており、連続再生時間は約16時間です。

セキュリティ面では、富士通が得意とする指紋認証が背面についており、「遠隔ダイヤルロック」やウイルス対策機能「セキュリティスキャン」も搭載されています。画面は2.6インチで、240×320ドットのQVGAディスプレイを採用。ダイヤルボタンがありながらも、スライド式のテンキーを採用しています。ユーザーが機能を割り当てられる4つのワンタッチキーも搭載されています。

メインカメラには約130万画素のCMOSセンサーが搭載されていますが、サブカメラは非搭載のため、テレビ電話には対応していません。外部メモリはmicroSDに対応しており、NTTドコモとしては2GBまでを推奨しています。それ以上の容量のmicroSDHCカードについては、自己責任での使用となります。

M1000と同様に、Microsoft Office系のファイル（Excel、Word、PowerPoint）やPDFファイルの閲覧が可能です。通信面では、iモードには対応しておらず、パケ・ホーダイやパケ・ホーダイフルの利用はできません。代わりにBiz・ホーダイを利用することで定額通信が可能です。また、企業向けのIP内線電話ソリューションである「PASSAGE DUPLE」や「ビジネスmoperaIPセントレックス」にも対応しています。

メール機能に関しては、iモードメールは利用できませんが、プロバイダメールは利用可能です。NTTドコモのサービスであるmoperaUやmoperaのプロバイダメール、GmailやYahoo!メールなどを利用して送受信が可能です。複数のメールアカウントを登録でき、ビジネスとプライベートで使い分けることができます。mopera Uメールを利用した場合は、プッシュ型電子メールも利用できます。2009年4月1日からは、iモード.netモバイルモードによりiモードメールの送受信も可能となりました。

VoIP（Voice over Internet Protocol）にも対応して発売されましたが、SIP登録に問題があり、発売から半年近く経っても法人営業のラインナップには載りませんでした。NECのN906iL発売以降は、この点は完全に無視された形になっていましたが、2008年10月21日にPASSAGE DUPLEとビジネスmoperaIPセントレックスに対応するためのソフトウェアが公開され、企業内内線に対応することになりました。

開発は2007年8月30日に発表され、電気通信端末機器審査協会を2007年12月14日に、技術基準適合証明を2007年12月25日に通過。2008年3月17日に発売開始されました。

関連する項目として、PASSAGE DUPLE（パッセージ・デュプレ）、ビジネスmoperaIPセントレックス、hTc Z、HT1100、HT-01A、HT-02A、BlackBerry、mopera Uプッシュメール、iモード.netモバイルモード、F-07Cなどが挙げられます。

この端末に関する詳しい情報は、富士通の公式サイトで確認できます。

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