G-BOOK

G-BOOK（ジー・ブック）とは

G-BOOKは、トヨタ[[自動車]]がかつて提供していたテレマティクスサービスです。2022年3月31日にサービスを終了しましたが、その技術は現在の「T-Connect」へと引き継がれています。レクサスブランドで提供されていた「G-Link」とは、サービス内容に差異はあるものの、ほぼ同様のシステムでした。G-BOOKは一部のトヨタ車に搭載され、G-Linkはレクサス全車種に搭載されていました。

開発と特徴

G-BOOKは、トヨタ[[自動車]]のGAZOO事業部（現在のe-TOYOTA部）を中心に、デンソー、ガズーメディアサービス（現・トヨタコネクティッド）、トヨタコミュニケーションシステム（現・トヨタシステムズ）、富士通、アイシンAW（現・アイシン）などが共同で開発しました。通信にはDCMと呼ばれる専用無線機、または携帯電話を利用しました。ネットワーク接続は、ダイヤルアップPPPを用いた独自のMVNOを経由し、インターネット上の任意のサイトへのアクセスは制限されていました。カーナビゲーションシステムやGPSと連携し、運転中の利用を考慮した音声読み上げ機能を備えていました。

機能

G-BOOKは、ニュースや天気予報、渋滞情報、観光情報などを提供していました。また、パソコンで検索した目的地をカーナビに送信する機能や、車両の現在位置を把握してトラブル時の救援や盗難追跡をサポートする機能も搭載されていました。オペレーターとの通話による情報検索や目的地設定も可能でした。専用のメールアドレスが付与され、メールの送受信も可能でしたが、Webメール形式での利用に限られていました。

G-BOOKの進化版として、渋滞予測情報を利用した道案内機能を持つ「G-BOOK ALPHA」や、最新地図データを無料で更新できる「マップオンデマンド」機能を持つ「G-BOOK mX」が登場しました。

T-Connectへの進化

後継サービスの「T-Connect」では、データは「トヨタスマートセンター」と呼ばれるクラウドサービスに送られ、自動音声ガイダンスで案内されるようになりました。道路状況や燃料残量を考慮した「先読み情報サービス」や、スマートフォンアプリと連携した「ラストワンマイル」機能も提供されています。

採用メーカー

G-BOOKはトヨタだけでなく、ダイハツ工業、富士重工業（現・SUBARU）、マツダにも採用されていました。かつては三菱[[自動車工業]]とも提携していましたが、後に提携は凍結されました。また、マップオンデマンドは富士通テンのカーナビ「ECLIPSE」にも採用されました。

問題点

G-BOOKは登場から10年ほど経過しており、技術的に陳腐化していました。特に、スマートフォンや多くの携帯電話料金サービスでは利用できない、接続方法が限定されるなどの問題がありました。Bluetooth接続を利用する場合でも、DUNプロファイルが必要なため、当時の多くのスマートフォンでは利用できませんでした。また、独自のMVNOを使用しているため、携帯電話で接続中は着信ができない、テザリング機能を利用した接続もできないなどの制限がありました。

これらの問題点は、後継サービスの「T-Connect」でスマートフォン連携が可能になったことで解消されています。

サービス終了

G-BOOK関連サービスの終了日は以下の通りです。

2019年2月28日：「MAZDA G-BOOK ALPHA」
2019年3月31日：「G-BOOK」
2022年3月31日：「G-BOOK ALPHA」「G-BOOK mX」「G-BOOK ALPHA Pro」「G-BOOK mX Pro」

DCM (Data Communication Module) について

DCMは、携帯電話の無線ネットワークに接続してデータ通信を行う装置で、G-BOOK専用DCMは、主にKDDIのau回線を使用していました。G-BOOK ALPHA Pro専用DCMでは最大2.4Mbps、G-BOOK mX Pro専用DCMでは、2011年モデル以降でドコモ回線を使用し、最大で上り5.7Mbps、下り7.2Mbpsの通信が可能でした。DCMにはGPS受信機能が搭載されているものもあり、盗難時の車両追跡や、エアバッグ展開時の緊急通知にも利用されました。

DCMユニット認証情報

以下に、DCMユニットの認証情報を示します。

OGTT01 データ通信モジュール（デンソー製造）
2001年11月20日 - 技術基準適合証明の工事設計認証 （TELEC実施）（工事設計認証番号 01XZAB1003）
2001年11月20日 - 技術基準適合認定の設計認証（JATE実施）（認証番号 A01-1042JP）
OGTT01（同上）
2004年10月20日 - 技術基準適合証明の工事設計認証（TELEC実施）（工事設計認証番号 001XZAB1001）
OGTT02 データ通信無線機（同上）
2002年11月26日 - 技術基準適合証明の工事設計認証（TELEC実施）（工事設計認証番号 001XZAA1037）
2003年2月10日 - 技術基準適合認定の設計認証（JATE実施）（認証番号 A03-0036JP）
2003年12月29日 - 技術基準適合証明の工事設計認証（TELEC実施）（工事設計認証番号 001XZAA1094）
2004年10月14日 - 技術基準適合証明の工事設計認証（同上）（工事設計認証番号 001XZAA1129）
OGTT03 データ通信無線機（同上）
2003年7月3日 - 技術基準適合証明の工事設計認証（TELEC実施）（工事設計認証番号 001XZAA1069）
2003年8月1日 - 技術基準適合認定の設計認証（JATE実施）（認証番号 A03-0036JP）
2003年12月29日 - 技術基準適合証明の工事設計認証（TELEC実施）（工事設計認証番号 001XZAA1095）
OGTT04 データ通信無線機（同上）
2004年2月18日 - 技術基準適合証明の工事設計認証（TELEC実施）（工事設計認証番号 001XZAA1100、001NXAA1012）
2005年1月4日 - 技術基準適合認定の設計認証（JATE実施）（認証番号 AD04-0679001）
2005年7月11日 - 技術基準適合証明の工事設計認証（TELEC実施）（工事設計認証番号 001XZAA1168、001NXAA1050）
OGTT05 データ通信無線機（同上）
2005年6月7日 - 技術基準適合証明の工事設計認証（TELEC実施）（工事設計認証番号 001XZAB1102、001NXAB1001）
2005年6月8日 - 技術基準適合認定の設計認証（JATE実施）（認証番号 AD05-0233001）

注：TELECはテレコムエンジニアリングセンター、JATEは電気通信端末機器審査協会の略称です。

関連項目

トヨタケータイ TiMO W44T II
T003
PiPit

関連リンク

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G-Link
トヨタのコネクティッドサービス

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