LISMO Port

LISMO Port（リスモポート）とは

LISMO Portは、KDDIがソニーと共同で開発し、auブランドの携帯電話向けに提供していたWindows用統合ソフトウェアです。主な機能として、楽曲、動画、連絡先、スケジュールなどのデータ管理やバックアップがありました。このソフトウェアは、音楽管理ソフト「x-アプリ for LISMO」（旧称「SonicStage for LISMO」）、携帯電話データ管理ソフト「ケータイデータバックアップ」、およびLISMO Port用バックアップソフト「LISMO Portバックアップ」を統合したものでした。

リリースとサービス終了

2008年 2月1日、LISMO「オーディオ機器連携」と「KCP+」に初めて対応した機種（W56T、W54S）の発売とともに、LISMO Portのダウンロード提供が開始されました。しかし、2013年 5月24日、KDDIはLISMO Portのダウンロード提供とサポートを同年11月29日に終了すると発表しました。このサービス終了の背景には、楽曲配信の多くがDRMフリーとなり、より汎用的な形式で利用できるようになったことが挙げられます。LISMO Portは、その役割を終えたと判断されたのです。

au Music Portとの関係

サービス開始当初、KCP搭載モデルは「au Music Port」、KCP+搭載モデルは「LISMO Port」と、対応機種によって使い分ける必要がありました。しかし、2009年10月にリリースされたLISMO Port Ver4.0以降は対応機種が拡充され、au Music Portを使用していた機種もサポートされるようになりました。KDDIはLISMO Portをau Music Portの後継ソフトウェアと位置づけ、2010年3月31日をもってau Music Portの提供を終了しました。

LISMO Port 4.0をインストールすると、au Music Portは自動的にアンインストールされますが、取り込んだデータは残すかどうかの選択が可能です。データを残した場合に限り、LISMO Portに引き継ぐことができます。ただし、従来の機種でダウンロードした着うたフルやau Music Portで購入した楽曲は、NETJUKEやウォークマンへの転送はできませんでした。

バージョン履歴

LISMO Portは、サービス提供期間中に多くのバージョンアップを重ねてきました。主なバージョンと変更点は以下の通りです。

Ver1.0：2008年 2月1日リリース。
Ver2.0：2008年6月3日リリース。LISMO Videoに対応。
Ver3.0：2008年12月8日リリース。HDCP非対応PCでのLISMO Video購入・転送対応、mora for LISMOでのEdy決済対応、EZ「着うたフルプラス」対応、ネットジューク12音解析対応、音楽CD作成対応、m3uプレイリスト対応、データベースをSonicStage Vと共有。
Ver3.1：2009年2月6日リリース。Walkman Phone, Premier3のダイレクトエンコーディング録音機能で作成した音楽ファイルのバックアップ機能。
Ver4.0：2009年10月19日リリース。楽曲管理を「x-アプリ for LISMO」に変更。KCP+非搭載機種でも音楽転送が可能に。
Ver4.1：2010年5月28日リリース。Windows 7対応、IS01を含む新機種対応。
Ver4.4：2011年10月11日リリース。一部AndroidスマホでUSBドライバー不要、エンコード済みファイルはダイレクト転送に対応。
Ver5.0：2012年11月2日リリース。Windows 8に対応（Windows RTを除く）。
Ver5.1：2013年1月下旬リリース。最終バージョン。

x-アプリ for LISMO

音楽管理ソフトであるx-アプリ for LISMOは、以下の形式の音楽ファイルを取り込むことができました。

音楽CD
パソコン内のファイル
AAC、HE-AAC（拡張子：3gp、mp4、m4a）
WAV（拡張子：wav）
WMA（拡張子：wma）
ATRAC、ATRAC Advanced Lossless（拡張子：oma、aa3）
MP3（拡張子：mp3）

著作権保護されたファイル（m4pなど）やApple Losslessのファイルは取り込めませんでした。

また、携帯電話内のファイルとして、ダウンロードした着うたフルなども取り込むことができました。

ケータイデータバックアップ

携帯電話内のメール、写真、動画、スケジュール、アドレス帳などのデータをバックアップする機能を提供していました。

LISMO Portバックアップ

LISMO Portのデータをバックアップし、別のPCに復元する機能を提供していました。

まとめ

LISMO Portは、auユーザーにとって重要なデータ管理ツールでしたが、技術の変化とともにその役割を終えました。しかし、その開発と機能は、当時の携帯電話利用者のニーズに応えるものであったと言えるでしょう。