Mk 38 25 mm 機関砲

Mk 38 25mm機関砲

Mk 38 25mm機関砲（Mark 38 Machine Gun System）は、アメリカ海軍が運用する艦載機関砲システムです。このシステムは、1門のM242 25mm機関砲とMk.88銃架を組み合わせたもので構成されています。後の改良型であるMod 2では、光学照準装置が追加され、射撃精度が向上しています。

開発経緯

1977年、アメリカ海軍は、当時使用していたMk.10およびMk.16 20mm機関砲の更新を検討し始めました。この頃には、既に優れた対空射撃能力を持つMk.15 20mm CIWSが導入されていたため、新しい機関砲システムには、水上目標への攻撃能力がより強く求められました。この要求に基づいて開発されたMk.38 Mod 0は、1986年から配備が開始されました。

Mk.38に採用されたM242機関砲は、アメリカ陸軍のM2ブラッドレー歩兵[[戦闘車]]で既に採用されていた実績のあるもので、外部動力によってチェーンを介して作動する、いわゆるチェーンガンです。発射速度はそれほど高くありませんが、信頼性に優れている点が特徴です。

各モデルの特徴

初期のMod 0およびMod 1は、人力による操作を基本としており、照準と操作は砲側の射撃員によって行われます。その後、イスラエルのタイフーンシステムを基にした改良型であるMod 2が開発され、配備が開始されました。Mod 2では、給弾機構の改良、電子照準装置や測距装置の搭載、砲塔の安定化、遠隔操作化など、大幅な改良が施されています。

Mk 38は、日本の海上保安庁が運用する20mm RFSに類似した性格を持ち、艦艇から小型高速艇、機雷、沿岸の敵部隊など、洋上の様々な脅威に対して効果的な射撃を行うことができます。近年では、特に洋上での対テロ作戦の需要が高まっており、戦闘艦艇や補助艦艇に幅広く搭載されています。

サイクロン級哨戒艇の主兵装として、Mk.96が開発されました。この遠隔操作式の砲塔は、安定化されており、動揺する海上でも安定した射撃が可能です。また、発射速度を向上させたMk.46 Mod 0というタイプも開発されており、MH-60S ナイトホーク・ヘリコプターに搭載され、空中から機雷を探知・撃破するRAMICS（Rapid Airborne Mine Clearance System）計画で使用されています。

採用国と搭載艦

Mk 38は、以下の国と艦艇で採用されています。

アメリカ海軍
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦
オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート
サイクロン級哨戒艇
Mk VI型哨戒艇
タラワ級強襲揚陸艦
ワスプ級強襲揚陸艦
クリーブランド級ドック型輸送揚陸艦
ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦
ハーパーズ・フェリー級ドック型揚陸艦
サプライ級高速戦闘支援艦
アメリカ沿岸警備隊
ハミルトン級カッター
リライアンス級カッター
アイランド型カッター
センチネル型カッター
「アレックス・ヘイリー」（WMEC-39）
スペイン海軍
メテオロ級哨戒艦
フィリピン海軍
デル・ピラール級哨戒艦

登場作品

Mk 38は、以下の作品に登場します。

テレビドラマ
『ザ・ラストシップ』：架空のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ネイサン・ジェームズ」の搭載火器としてMod.2が登場。対空・対水上戦闘で使用される。撮影には実物が使用されています。
ゲーム
『WarRock』：ハミナ級ミサイル艇に搭載されており、4番席に移動することでプレイヤーが使用可能です。

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