NECのパーソナルコンピュータ一覧

NECパーソナルコンピュータの歴史：PC-8000シリーズからPC98-NXシリーズまで

NECは日本のパーソナルコンピュータ市場において、長年にわたり主要な役割を果たしてきた企業です。本記事では、NECが製造・販売したパーソナルコンピュータの歴史を、主要機種に焦点を当てて解説します。

8ビット時代の幕開け：PC-8000シリーズと多様なラインナップ

NECのパソコン開発は、8ビット時代のPC-8000シリーズから始まりました。このシリーズは、日本のパーソナルコンピュータ黎明期を代表する機種であり、その後継機であるPC-8800シリーズは、事務用途からホビー用途まで幅広い層に支持されました。8ビット御三家の一角を担い、高いシェアを獲得しました。
一方、PC-6000シリーズは、ホビー用途に特化したシリーズとして展開されました。PC-6600シリーズは、3.5インチフロッピーディスクドライブを搭載し、機能を強化したモデルとして登場しました。
また、携帯型のPC-2000シリーズや、京セラとの共同開発によるPC-8200シリーズといった機種も存在しました。PC-8200シリーズは、PC-8000シリーズやPC-8800シリーズとは互換性がありませんでしたが、独自の市場を開拓しました。

16ビット時代への移行：PC-100シリーズとPC-9800シリーズの隆盛

16ビット時代には、京セラ、アスキーとの共同開発によるPC-100シリーズが登場しました。PC-8000/8800シリーズと同じ事業部が開発を担当したこともあり、正当な後継機と見なされることもありました。
しかし、NECを代表するパーソナルコンピュータシリーズとなったのは、PC-9800シリーズです。このシリーズは、当初N88-BASICを、後にMS-DOSを主要なOSとして採用し、事務用途を中心に高いシェアを獲得しました。ピーク時には、国内市場におけるシェアが90%に迫る勢いでした。PC-9800シリーズは、その後も上位機種であるPC-H98シリーズや、32ビット時代のPC-9821シリーズへと進化を続けました。

PC-9800シリーズの多様な展開：ノートパソコンやマルチメディア対応機

PC-9800シリーズは、デスクトップパソコンだけでなく、ノートパソコンである98NOTEシリーズも展開されました。その中でも、Aileシリーズは、当初はPC-9821シリーズに属する98NOTE LIGHTとして登場し、後にPC98-NXシリーズの一部となりました。また、マルチメディア機能に特化した98MULTi CanBeシリーズも存在しました。

32ビット時代とPC/AT互換機|PC_AT互換機：PC98-NXシリーズ

PC-9821シリーズの後継機として登場したPC98-NXシリーズは、PC/AT互換機|PC_AT互換機ベースとなりました。そのため、PC-9800シリーズやPC-9821シリーズとのMS-DOS版ソフトウェアの互換性はありませんでした。PC98-NXシリーズには、mobioシリーズといったノートパソコンもラインナップされていました。

その他：ファクトリーコンピュータ

NECは、工場などの産業用途向けにFC-9801、FC-H98、FC-9821、FC98-NXシリーズといったファクトリーコンピュータも開発・販売していました。これらの機種は、過酷な環境下での使用に耐えるよう設計されていました。

NECパーソナルコンピュータの遺産

NECのパソコンは、日本の情報化社会の発展に大きく貢献しました。PC-9800シリーズは、日本のビジネスシーンや家庭で長年にわたり使用され、多くの人々の記憶に残る存在となっています。これらの機種は、日本のパソコン史における重要なマイルストーンであり、現代のパソコン技術の礎を築いたと言えるでしょう。現在、NECはLifeTouch LやLifeTouch NOTEといった新しい製品も展開しており、その技術革新は続いています。

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