マクシス

マクシス（Maxis）：シミュレーションゲームのパイオニア

マクシスは、アメリカ合衆国のコンピュータゲーム開発スタジオであり、エレクトロニック・アーツ（EA）の一部門です。1987年に設立され、都市建設シミュレーションゲーム『シムシティ』の大ヒットにより、その名を世界に知らしめました。その後も『シムピープル』とその続編である『ザ・シムズ』シリーズを開発し、シミュレーションゲームのジャンルを確立しました。

マクシスの概要

マクシスのゲームの特徴は、その多くがシミュレーションをベースにしている点です。創業者の一人であるウィル・ライトは、自身のゲームを「デジタルプレイグラウンド」と表現し、プレイヤーが自由に創造性を発揮できる場を提供しました。また、当時あまり一般的ではなかった『A列車で行こう』のような作品のローカライズも手がけていました。

社名の由来は、ウィル・ライトによると「Six AM」（午前6時）を逆から綴ったものだそうです。日本にも「マクシス株式会社」として進出した時期がありましたが、現在はEAに吸収され、同社の一部門となっています。

マクシスの歴史

独立スタジオ時代

1987年、ウィル・ライトとジェフ・ブラウンによって設立されたマクシスは、1989年にブローダーバンド社の協力のもと、『シムシティ』を発売しました。このゲームは従来のゲームとは異なり、明確な「勝利」や「敗北」の概念がなく、プレイヤーは自由に都市を創造・運営することができました。『シムシティ』は、当初ゲーム販売会社からは注目されなかったものの、発売されると爆発的な人気を博し、ビデオゲーム史に残る傑作となりました。

その後、『シムシティ』シリーズは『シムシティ2000』（1993年）、『シムシティ3000』（1999年）、『シムシティ4』（2003年）と進化を続けました。また、1990年代には『ロボスポーツ』など、シムシリーズ以外のゲームも開発しました。

『シムシティ』の大成功を受け、マクシスは「シム」を冠した様々なゲームに挑戦しました。『シムアース』、『シムアント』、『シムタワー』（ザ・タワー）、『シムライフ』、『シムファーム』などがありますが、『シムピープル』を除いて、オリジナル『シムシティ』ほどの成功は収められませんでした。

しかし、新たなゲームの開発は思うようにいかず、『Crystal Skull』や『シムコプター』などの失敗により経営状況が悪化。多額の損失と方向性の欠如から、他社への身売りを検討し始めました。

エレクトロニック・アーツによる買収

1997年7月28日、マクシスはエレクトロニック・アーツ（EA）に買収されました。他の買収されたスタジオと比較して、マクシスは買収後も比較的緩やかに吸収され、ウィル・ライトを含むオリジナルのスタッフが残りました。製品もマクシスのロゴのままで出荷されていましたが、徐々にEAのロゴに置き換わっていきました。しかし、現在でもマクシスが開発した製品のパッケージやゲーム開始時には、マクシスのロゴが表示されることがあります。

買収後のマクシスで最も成功したシリーズは、『ザ・シムズ』（日本では『シムピープル』として発売）です。マクシスはオンライン版の『シムズオンライン』を含め、多数の拡張パックをリリースしました。2004年には、フル3D環境へと進化した続編『ザ・シムズ2』を発売。その後しばらくマクシスのロゴはゲームに表示されませんでしたが、『ザ・シムズ3』の拡張パックや修正パッチの適用により、オープニングにマクシスのロゴが復活しました。

しかし、2013年版『シムシティ』がローンチ時に問題を抱えて失敗に終わったことを受け、2015年にカリフォルニア州エメリービルにあった主要スタジオは閉鎖されました。

EA吸収以前に発売されたゲーム

シムシティシリーズ（シムシティ2000まで）
シムタワー（日本語版タイトルは「ザ・タワー」）
シムアース
シムアント
シムタウン
シムゴルフ
シムサファリ
シムコプター
シムファーム
ストリート・オブ・シムシティ
シムチューン
マーブルドロップ
シムアイル

マクシスがローカライズした日本作品

ザ・タワー（オープンブック）
A列車で行こうシリーズ（アートディンク）

外部リンク

公式ウェブサイト
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