三國志VI

三國志VI

『三國志VI』（さんごくし・シックス）は、1998年に光栄（現・コーエーテクモゲームス）から発売された歴史シミュレーションゲームであり、「三國志シリーズ」の第6作目にあたります。この作品は、シリーズで初めてWindows用ソフトとしてリリースされたことで注目を集めました。音楽はつのごうじ氏が担当しています。

概要

本作では、プレイヤーは三国時代の群雄の一人となり、古代中国の主要都市を制覇することを目指します。前作までの基本的な枠組みはそのままに、本作では「君主」ではなく「群雄」と呼ばれる点が特徴です。

ゲームは「天の時」「地の利」「人の和」の三本柱を軸に展開されます。「天の時」はイベントや皇帝の詔勅など、「地の利」は地形や兵科の有利不利、「人の和」は武将の夢や派閥、特技などを指します。これらの要素を考慮した戦略が重要になります。

人徳

群雄には『三國志II』の「信用度」に相当する「人徳」というパラメータがあり、この値が低いと戦略面で不利になります。具体的には、人事や外交の成功率が低下するほか、遠方の群雄からも敵視されやすくなります。

「後漢皇帝の要求を断る」「略奪をする」「捕らえた武将の首を斬る」といった行動は人徳を下げ、「後漢皇帝の要求に応じる」「捕らえた武将を解放する」「同盟国の使者の通過を許す」といった行動は人徳を上げます。

官爵

群雄は官爵を持ち、無位無冠の場合は配下武将が率いる兵士数が一律5000となります。官爵が上がるにつれて、配下の武将に最大20000までの兵士を率いさせることが可能になります。

外交と謀略

外交や謀略の使者がメイン画面を移動する様子は『三國志II』と同様で、不利な使者を足止めしたり、追い返すこともできます。

補給路

本作では、補給路の概念が存在します。勢力の本拠地と補給路で繋がっていない都市には命令が出せず、戦闘時に兵糧切れを起こすこともあります。

戦闘システム

戦闘システムは、敵の動きを予測して進軍や攻撃方法を予め設定する「同時プロット制」が採用されています。また、一騎討ちが細かく指示できるようになった点も特徴です。

年表と回顧録

ゲーム中の主な出来事は「群雄年表」に、武将の行動は「傑士回顧録」に記録されます。ただし、「傑士回顧録」は容量を超えると古い記録から削除されます。

パワーアップキット

パワーアップキットでは、曹操、劉備、孫策の3人の中から1人を選び、シナリオに沿って戦闘を行う「戦術シミュレーション」が追加されました。3人のシナリオをクリアすると、司馬懿のシナリオが選択可能になります。

シナリオ

従来のシナリオに加え、短期間で決着がつく「ショートシナリオ」が用意されています。パワーアップキット版には、追加シナリオも収録されています。

勝利条件

通常シナリオでは、中国全土を統一するか、プレイヤーと従属する群雄のみの状態になれば勝利となります。ショートシナリオや戦術シミュレーションでは、それぞれのシナリオごとに勝利条件が設定されています。

プレイヤーが全ての領地や武将を失うとゲームオーバーです。また、中国全土の武将が全て死亡した場合、「589年の隋の統一まで混乱の時代は続く」というメッセージが表示されます。

ゲーム内容

武将

登場武将数は520名で、シリーズで初めて『三国志演義』には登場しない、『三国志』のみに登場する人物が本格的に登場しました。武将の略歴を参照できる「列伝」機能には、「正史に登場する」という注釈が付けられています。

能力値

能力値は「統率」「武力」「知力」「政治」「魅力」の5つです。成長パターンによって数値が変化します。特殊能力は「兵法」「内務」「交渉」「諜報」「武勇」「都督」の6つです。『三國志IV』以降に登場する「幻術」などの現実離れした特殊能力は存在しません。

武将の成長

本作では、年齢によって能力が変化します。成長パターンは以下の通りです。

• - 通常: 10代は能力が低く、40代でピークに達し、その後老衰します。
• - 神童: 20代でピークに達し、老衰も遅いです。
• - 麒麟児: 30代でピークに達し、老衰は神童ほどではありません。
• - 早熟: 20代でピークに達しますが、40代から老衰が進みます。
• - 晩成: ピークは50代と遅いですが、老衰も遅いです。

戦闘や内政の経験値によって、成長を早めたり、老衰を遅らせることが可能です。ただし、設定された上限を超えて成長することはできません。

武将の夢

武将は「夢」を持ち、その夢に従った意見を述べます。夢によって仕事の好き嫌いがあり、能力とのミスマッチも発生するため、人材の使い方が重要になります。何もさせないと不満が溜まり、忠誠度が低下します。不満が溜まりすぎると、謀反や下野、最悪の場合、憤死することもあります。

武将の主義

武将の主義は「礼教主義」「中庸主義」「覇権主義」の3つに分類されます。

• - 礼教主義: 儒教による礼教を重視し、汚い手段を嫌います。後漢王朝への忠誠心が強く、帝位簒奪に反対します。
• - 中庸主義: 現状維持を重視し、積極的な目標を持ちません。内政を好み、戦争を嫌います。
• - 覇権主義: 実力を重視し、乱世で勝ち抜くために手段を選びません。戦争や謀略を好み、帝位簒奪にも積極的です。

「礼教」と「覇権」は対立関係にあり、両方の主義の武将が配下にいると、派閥抗争が発生することがあります。抗争が激化すると、武将が負傷したり、謀反や下野につながることがあります。

武将との会見や評定を通じて、不満を解消することができます。評定では、同じ夢を持つ武将の主張を採用すると、その武将たちの不満が下がります。

その他

• - 義侠: 「親分」と仰ぐ群雄は絶対に裏切りません。
• - 隠遁: 現世を避けたいと思っており、全ての命令に不満を持ちます。
• - 皇帝: 群雄の官爵の最上位に位置づけられ、後漢皇帝をも指します。後漢皇帝は様々な要求を行い、それに応じることで群雄の人徳が上がります。

評価

本作は、その複雑なシステムと、リアリティのある武将の成長システム、そして戦略の奥深さで高い評価を受けています。電撃PlayStationでは、武将の性格が確認できる点や、成長システムがリアリティがある点を評価しています。IGNでは、ゲームプレイの洗練さや多彩なシナリオを評価し、Allgameでは、繰り返しプレイの多様性を評価しています。GameSpotでは、グラフィック面での革新はないものの、堅実なシミュレーションタイトルとして評価しています。

出典

外部リンク

• - 三國志VI　製品案内
• - 三國志VIwithパワーアップキット　製品案内
• - 三國志VI PSP版公式サイト
• - PlayStation.com(Japan)｜ソフトウェアカタログ｜三国志VI ｗｉｔｈ パワーアップキット - ウェイバックマシン

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