地獄谷

地獄谷とは

「地獄谷」とは、日本各地に存在する特有の地形や景観を持つ場所につけられた名前です。その多くは火山活動や地熱の影響を受けており、湯煙が立ち上る様子や荒涼とした風景が「地獄」を連想させることから、この名が付けられたと考えられています。地獄谷と呼ばれる場所は、温泉地、谷、かつての地名など、多岐にわたります。

名所としての地獄谷

北海道

登別地獄谷: 北海道登別市にある登別温泉の代表的な観光名所。直径約450mの爆裂火口跡で、硫黄の匂いが立ち込め、湯煙が上がる様子はまさに地獄のようです。

東北地方

鬼首地獄谷: 宮城県大崎市にある鬼首温泉の地熱地帯。紫色の湯が湧き出る「紫地獄」としても知られています。

関東地方

箱根地獄谷: 神奈川県足柄下郡箱根町にある大涌[[谷]]の旧名。かつては「大地獄」と呼ばれていました。

中部地方

地獄谷野猿公苑: 長野県下高井郡山ノ内町の地獄谷温泉にある公園。野生のニホンザルが温泉に入る姿が見られることで有名です。
立山地獄谷: 富山県中新川郡立山町にある火山地形帯。噴気や硫黄の匂いが特徴的な場所です。

九州地方

雲仙地獄: 長崎県雲仙市にある雲仙温泉の地熱地帯。活発な噴気活動が見られます。

地名としての地獄谷

建長寺境内: 神奈川県鎌倉市にある建長寺の境内には、かつて刑場があり、斬首された亡骸が捨てられていた場所がありました。その場所が「地獄谷」と呼ばれていました。
その他: 愛知県知多郡東浦町、京都府木津川市、神戸市須磨区にも地獄谷という地名が存在します。

谷としての地獄谷

日本各地の山岳地帯には、地形的に深く切れ込んだ谷が「地獄谷」と呼ばれています。これらの谷は、急峻な地形と、時に荒涼とした風景が特徴的です。水源となっている場合も多く、それぞれの川の源流部を形成しています。

北海道

旭岳地獄谷: 北海道上川郡東川町の旭岳の西面にある谷で、忠別川の源流の一つ。

新潟県

石田川地獄谷: 新潟県佐渡市の妙見山南西面にある谷で、石田川の源流の一つ。
関川地獄谷: 新潟県妙高市の裏金山南東面にある谷で、関川の源流の一つ。

長野県

高妻山地獄谷: 長野県長野市の高妻山南西面にある谷で、裾花川の源流の一つ。
武石峰地獄谷: 長野県松本市の武石峰北西面にある谷で、女鳥羽川の源流の一つ。
御嶽山地獄谷: 長野県木曽郡王滝村の御嶽山南面にある谷で、木曽川水系王滝川の源流の一つ。2014年の噴火で主な噴火口となった。
下烏帽子山地獄谷: 長野県下伊那郡豊丘村の下烏帽子山西面にある谷で、天竜川水系虹川の源流の一つ。
鹿塩川地獄谷: 長野県下伊那郡大鹿村の高森山北東面にある谷で、小渋川の支流である鹿塩川の源流の一つ。

山梨県

権現岳・八ヶ岳地獄谷: 山梨県北杜市の権現岳東面にある谷で、富士川水系須玉川の源流の一つ。

富山県

砺波山地獄谷: 富山県小矢部市の砺波山南面にある谷で、小矢部川の源流の一つ。

石川県

尾添川地獄谷: 石川県白山市の白山北面にある谷で、尾添川の源流の一つ。

岐阜県

大白川地獄谷: 岐阜県大野郡白川村の白山南東面にある谷で、庄川水系大白川の上流域にある。

鳥取県

加勢蛇川地獄谷: 鳥取県東伯郡琴浦町の大山東面にある谷で、加勢蛇川の源流の一つ。

愛媛県

東光森山地獄谷: 愛媛県新居浜市の東光森山東面にある谷で、銅山川の源流の一つ。

温泉名としての地獄谷

地獄谷温泉 (長野県): 長野県下高井郡山ノ内町にある温泉。地獄谷野猿公苑の近くに位置する。
地獄谷温泉 (熊本県): 熊本県阿蘇郡小国町にあるわいた温泉郷にある温泉。

関連項目

地獄: 地獄谷の名称の由来となった「地獄」に関する情報。
樹木谷: 一部の地域では、地獄谷から名前が変わったという説があります。この樹木谷についても調べてみると、地獄谷の歴史的な背景や地域の文化を知る手がかりになるかもしれません。

このように、地獄谷は様々な場所で異なる姿を見せています。その背景には、地域の歴史や文化、自然環境が深く関わっています。地獄谷を訪れる際は、その場所の成り立ちや歴史を調べてみると、より深く楽しめるでしょう。

もう一度検索